聴力検査アプリでたったの5分!自分でできる聞こえのセルフチェック

最近、家族や友人との会話で『聞き返すことが増えたな』と感じたことはありませんか?または、テレビの音量が以前より大きくなっていませんか?

そんなときに試してほしいのが、たった5分でできる聴力検査アプリです。静かな場所でスマートフォンさえあれば、すぐに自分の聞こえをセルフチェックできます。

「病院に行くのはちょっと面倒」「忙しくて病院に行く暇がない」、そんな方でもすぐにできるこの方法で、耳の健康を守りましょう。

1 スマホアプリでの聴力検査:その正確性とは?

スマートフォンで簡単にできる聴力検査アプリですが、どの程度正確に測れるのでしょうか?聴力検査アプリの正確性と、確度の高い測定方法、注意すべきポイントについて解説します。

1-1 医療機関や専門家監修のアプリがおすすめ

聴力検査アプリには、さまざまな種類があります。
信頼できる病院や大学研究機関、補聴器メーカーなどの専門家が開発したアプリの方が、より信頼性が高いといえるでしょう。

1-2 検査する環境や条件が測定の正確性に影響します

静かな環境

音を使った検査ですので、周囲に雑音があると正確な結果が得られない場合があります。アプリで検査する場合でも、できるだけ静かな場所で行うことが大切です。

ヘッドホンやイヤホンの性能

使用するヘッドホンやイヤホンの品質により、検査音の精度に影響を与える可能性があります。音圧や周波数特性が標準的なものを使用したほうがより正確性の高い結果が得られるでしょう。

以上の条件を満たせば、より正確性の高い結果が得られると思いますが、スマホアプリを使った聴力検査の結果はあくまで目安です。結果を過信せず、日常の健康チェックとして使うのが良いでしょう。

気になる結果が出た場合は、専門機関で正確な検査を受けることをおすすめします。

2 聴力検査アプリの種類とおすすめアプリ

 聴力検査アプリには、幅広い周波数を細かく測定できるものから、聞こえ方から「耳年齢」を判定するものまでさまざまです。アプリストアで自分に合ったスマホアプリを探してみましょう。

Mimi聴力検査

https://applion.jp/iphone/developer/855322101/

  • 広範囲の周波数を測定できる
  • Appleヘルスケアとの連動(iPhone/iPadのみ対応)
  • 定期的な聴力の変化をモニタリング
mimi聴力検査app
hearWHO

https://play.google.com/store/apps/details?id=com.hearxgroup.hearwho&hl=ja

  • 世界保健機関(WHO)が開発した無料アプリ※日本語非対応
  • 有線イヤホンのみ利用可能
聴力検査アプリ_WHO

 

  • iPhoneの方はこちらからアプリを検索

http://App Store – Apple(日本)

  • Androidの方はこちらからアプリを検索

Google Play(Android)

3 スマホアプリでの聴力検査結果の見方

スマホアプリでの診断は、結果が数値やグラフで表示されるものや難聴レベルの目安を判定するものなどさまざまです。
数値やグラフ表示は自分の聴力が具体的にわかる反面、数値の単位やグラフの見方が分からなかったり、結果をどう判断したらいいのかわからないという面も。

ここでは数値やグラフ表示の見方について解説します。

3-1 数値の見方

聴力は周波数により異なることが多いため、正式な聴力検査では周波数ごとに細かく聞こえ方を測ります。

その中から500Hz、1000Hz、2000Hzの測定値を式に当てはめて計算すると「平均聴力レベル」を算出することができます。
平均聴力レベルは難聴の程度を判断する際の目安として用いられます。

この計算式で算出された平均聴力レベルを、下記の表に照らし合わせることで、難聴の程度が分かります。出典:平均聴力算出方法(ワイデックス)

聴力レベル(dB) 聴力の状態 結果の見方ととるべき行動
0~25dB 正常 問題ありませんが、定期的なチェックを心がけましょう
26~40dB 軽度難聴 普段の聞こえ方に問題がある場合は、耳鼻科医を受診しましょう。補聴器使用の検討もおすすめします。
41~70dB 中等度難聴
71~90dB 高度難聴 すぐに耳鼻科医を受診して詳細な検査を受けてください。また、ご自分や周囲のためにも出来るだけ早い補聴器の使用をおすすめします。
91dB以上 重度難聴

3-2 聴力グラフの見方

聴力グラフの縦軸は聴力レベルdBHL(デシベル エイチエル)、横軸は周波数Hz(ヘルツ)です。

縦軸のdBHLは音の大きさを表していて、下にいくほど大きな音になり、横軸の周波数Hzは右に行けば行くほど高周波数で高い音、左に行けば行くほど低周波数で低い音になります。0dBとは、音が出ていないのではなく、健聴な方がギリギリ聞こえるレベルという意味です。

どの大きさの音になったときに反応があったのかを測って記号で示したものが、下図のようなオージオグラムです。


「〇」と「×」で表示されているのが気導聴力です。右耳は〇、左耳は×となります。
「コ」の字で表示されるマークは骨導聴力を表しており、左右で「コ」の字の向きが異なります。
これらのマークが下に行けば行くほど、その高さの音が聞こえづらいということです。

この図から平均聴力レベルを割り出して数値化する事もできます。平均聴力レベルは、聴力が正常範囲にあるかどうか、または難聴の程度を判定するために使われます。

ただし、あくまでも目安ですので、日常生活に支障や不安がある場合は、必ず専門機関で詳細な検査を受けてください。

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難聴の種類別特徴や症状。原因・治療・対策までわかりやすく解説

4 スマホアプリ以外での聞こえのセルフチェック方法

スマホアプリをわざわざダウンロードしなくても、インターネット環境があれば自宅で簡単にできる聞こえのチェック方法をご紹介します。

4-1 設問式の聞こえのチェック

普段の生活について答えるだけで簡単に自分の聞こえレベルがわかるチェック方法です。

こちらはあくまで目安ですので、正確な聞こえのレベルを知りたい場合は耳鼻科や専門機関で聴力測定を行ってください。

  • 厚生労働省HP 耳の健康チェック

厚生労働省「聞こえにくさ」感じていませんか?

  • 日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会HP 聞こえのセルフチェック

聴こえ8030運動

  • 日本補聴器工業会HP 聞こえのチェック

知っておきたい難聴の知識|補聴器ライフを楽しもう!

  • 補聴器専門店ブルームHP

ご本人様向けチェックリスト | 補聴器専門店ブルーム (bloomhearing.jp)

ご家族向けチェックリスト | 補聴器専門店ブルーム (bloomhearing.jp)

4-2 音を使ったオンライン聞こえのチェック

イヤホンやヘッドホンを使って、実際に音を聞いて聴力レベルをチェックする方法です。実際の音を使って行うため、耳鼻科での聴力検査に比較的近い方法です。

チェック時の周囲の音環境や、イヤホン・ヘッドホンの性能によって結果にばらつきが出る場合がありますので、もし気になる場合は耳鼻科やきちんとした設備のある補聴器販売店で測定してもらうことをおすすめします。

ワイデックスの無料オンライン聞こえのチェック | Widex

オンラインで聞こえをチェック | Signia

5 セルフチェックでもし「難聴」と診断されたらどうする?

5-1 耳鼻科を受診する

スマホアプリの診断は、あくまでも参考程度に受け止めてください。ですが、気になる結果が出た場合は、正確な診断や原因を特定するために耳鼻咽喉科や聴覚専門のクリニックでより専門的な聴力検査を受けることをおすすめします。
特に、突発性難聴は早期に治療することで、改善する可能性が高まります。逆に放置すると、治療効果が下がる可能性があります。

聴力低下に気づいたら、できるだけ早く耳鼻咽喉科を受診しましょう

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聴力低下の原因は?隠された病気の可能性と聴力回復の可能性を解説

5-2 難聴の予防や生活習慣の見直し

セルフチェックで「問題なし」という診断結果が出ても、難聴にならないために普段から予防することが重要です。

ストレスや睡眠不足を減らす、大きな音を避けたり、イヤホンやヘッドフォンで音楽を聞く時間を減らす、ノイズキャンセリングヘッドホンや耳せんを使うなど、普段の生活から耳を守ることを心がけましょう。

また、1度のチェックで安心せず、定期的にスマホアプリでチェックしたり、年に1度は耳鼻科で聴力検査を受けるなど、自分の聞こえの状態を把握しておくのも有効です。

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まとめ

  • 信頼性の高いアプリを選ぶ。医療機関や専門家が監修したものを利用するのが望ましい。
  • 静かな環境や高品質なヘッドホン・イヤホンを使用することで、より正確な測定が可能。
  • 聴力検査アプリの結果はあくまで目安であり、異常を感じたら専門機関での検査が必要
  • 聴力検査結果は数値(dB)で聴力レベルを判定し、正常(0~25dB)から重度難聴(91dB以上)まで分類。オージオグラム(聴力グラフ)を活用し、自分の聴力の傾向を把握可能。
  • スマホアプリ以外でも設問式やオンラインチェックなどのセルフチェック方法がある
  • 聴力検査アプリで「難聴」と診断されたら、早めに耳鼻科を受診すること。「異常なし」でも普段から大きな音を避ける、耳の健康を定期的にチェックすることが重要

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