
補聴器のお店に行ったことはありますか?きっと、行ったことがないという人が多いのではないでしょうか。
補聴器のお店、中はどうなっている?お店に行くと、どんなことが待っている??
私が実際にお店に行ってみて、体験してきましたので、レポートします。
あなたが補聴器のお店に行くときの参考になれば幸いです!
1 お店のこと
訪れたのは「認定補聴器専門店 ブルーム 戸越銀座店」です。
東京都品川区、戸越銀座商店街の中にある店舗です。
ブルームは全国に104店舗*を展開する「補聴器専門店」です。
そのうち95店舗*が「認定補聴器専門店」で、295人*の「認定補聴器技能者」がいます。(*2025年4月現在)
地域の耳鼻咽喉科や一般開業医、言語聴覚士などとも連携していて、医療専門家との協力体制を確立し、必要な時には専門的なアドバイスを得ることができるようになっています。
“花が咲く”という意味の店名「ブルーム」は、つぼみが開花するように「楽しく、自信に満ちた、元気な人生を過ごしてほしい」という願いが込められているそうです。
それでは、早速お店のレポートを始めましょう!
2 お店に行ってみた
ブルーム戸越銀座店は、東急池上線「戸越銀座駅」、都営浅草線「戸越」駅からすぐ、有名な戸越銀座商店街の中にあります。
写真の右側に電車が写っているのが分かるでしょうか?駅のすぐ横の踏切です。東急池上線の駅から、本当に歩いてすぐのお店です。
訪れたのは2025年4月1日、冷たい雨が降る日でした。平日の昼間ですが、商店街の中なので、とても人通りが多いです。
「補聴器」の看板が目を引きますね。
早速入ってみます。
お店に入るとすぐに、スタッフの方が丁寧に出迎えてくれました。
今回担当してくださる田中さん(仮名)は「認定補聴器技能者」です。
これは4年間試験や研修を受けてやっと取得できる資格で、補聴器販売員として実績があり、しっかり勉強されている証になります。
(認定補聴器技能者についてはこちらで解説:なぜ認定補聴器技能者から補聴器を購入した方が良いのか)
3 まずは説明を聞き、自分のことを話す
お店に入ってすぐの所にある席に案内してもらいました。
まずは書類に必要事項を書いていきます。名前や住所など、一般的な内容です。
この後、田中さんとおしゃべりをします。
家族のこと、趣味のこと、普段の生活のこと…。楽しくおしゃべりをしているだけ、の様にも感じますが、田中さんはこれらの内容から様々な情報を得ています。
この時の情報は、この後で補聴器を選択するときや、補聴器の使いかたを説明するときに役に立つとのことです。
田中さん:
この時に、誘導尋問のようにならないように気をつけています。
お客様がご自身でお話しくださるよう、お話ししやすい雰囲気づくりを心掛けています。
時にはお話しするのが楽しくて、ここで時間がかかってしまうこともあります!
また、東京都品川区の補聴器購入の助成制度について説明してくれました。
この日は2025年度の初日(4月1日)で、この日から助成制度が変わり、助成金が35,000円→72,450円に増えたそうです。
田中さん:
このお店は品川区にあるので、お客様のほとんどが品川区在住です。
この助成制度は大切な情報ですので、すべての対象のお客様に最初にしっかりと説明しています。
このような助成は、全国各地で自治体単位で実施されています。
実施している自治体としていない自治体があり、実施していても内容は自治体によって様々です。あなたの自治体ではどうなのか、役所の窓口やホームページで確認してみてください。
こちらの記事に詳しく説明していますので、参考にしてください。補聴器購入の補助金や助成制度。種類や条件、手続きを詳しく知りたい方に
次は、聴力のチェックをします。場所を移動します。
4 聞こえの状態の確認
こちらのお部屋で聴力を測定します。
中に入り、ヘッドフォンをつけてもらい、ボタンを持って。
健康診断で受ける聴力検査と同じですね。
田中さんが機械の操作をすると、ヘッドフォンから音が聞こえてくるので、ボタンを押します。
健康診断の聴力検査は短い時間で終わりますが、このような補聴器販売店での測定はチェック項目が多いので、少し時間がかかります。
また、もう1つヘッドフォンのようなものを足して行う「骨導測定」も行います。これも健康診断では行わないものです。
その後、ヘッドフォンを外して直接音を聞く「語音明瞭度測定」も行いました。
聴力測定については、こちらの記事で詳しく解説しています。聴力検査結果の見方がわかる!「標準純音聴力検査」を詳しく解説
田中さん:
この測定は、ヘッドフォンをつけて集中して行うので、途中で疲れてしまうお客様もいらっしゃいます。
その場合は遠慮せずに言っていただければ、休憩をはさみながら行うこともできます。
この測定の結果はとても重要なデータですので、正しく測定できるよう、細心の注意を払っています。
5 測定を終えて
測定が終わると、お店の奥にある部屋に案内してもらいました。
測定の結果は、「オージオグラム(聴力図)」というグラフにまとめられていました。
下の聴力図は、このお店に来られるお客様によくあるような聴力データです。(仮のものです)
右側が下がっている、つまり、高い音が聞き取りづらくなっている、という意味です。
この図の読み方はこちらでくわしく解説しています。
この図は「中等度難聴」に分類される聴力で、普段の生活で不便を感じて、補聴器装用を検討する人が多いとのことです。
6 補聴器をつけてみました
いよいよ補聴器についての説明です。2つのメーカーを紹介してもらいました。
それぞれのブランドに様々な補聴器があります。まずは形について相談しました。
目立たない方がいいのか、取り扱いやすいものがいいのか、旅行や出張は多いのか、マスクや帽子はよくつけるか…。
最初に話したときの情報も交えて相談しながら、私にお勧めで、私も使いたいと思う補聴器を選びます。
今回は3種類の補聴器を見せてくれました。
いつも、まずはいくつかの種類の現物を見てもらって、そこからどれを試してみるかを選ぶそうです。
このうち「RIC型補聴器」のPure Charge&Go IXをつけてもらいました。
小さくて黒いので、本当に目立ちません。見えるように写真を撮るのが大変なくらいです!(右の写真、耳の上に乗っているのが分かるでしょうか?)
私の普段の髪型なら、「補聴器をつけている」とは全く気付かれないと思います。
もう1種類、「耳かけ型補聴器」のMOMENT BTERD(ワイデックス補聴器)も試させてもらいました。
こちらは先ほどの物よりは大きいですが、あまり重さを感じることもなく、私の普段の髪型だと、髪に隠れて見えませんでした。(写真右)
先ほどの小さい器種よりも取り扱いがしやすいので、細かい手先の作業が得意ではない人にもお勧めだそうです。
田中さん:
お客様には、複数のメーカーの補聴器を試すことをお勧めしています。
メーカーによって音の特長は大きく違うので、好みが分かれるからです。
メーカーが決まった後も、複数の形を見ていただきます。
カタログで見ていた時は気にならなかったけど、現物を見たら「これにする!」と即決されるお客様もいらっしゃいます。
なるべく多くの選択肢から、納得して選んでいただきたいと思っています。
7 2週間レンタルしてお試し
ブルームでは、補聴器を購入する前に2週間レンタルして試してみることができます。「2週間補聴器体験コース」です。
レンタルする補聴器を決めて、音の設定を私の聴力に合わせてもらい、使い方を説明してもらいます。
2週間の間に最低1回はお店に来て、補聴器の効果が出ているか確認したり、音の設定を変えたりするとのこと。
この期間に重要なのは、「補聴器に慣れる」ことではないそうです。それはレンタル期間を終えて購入してからとか。
補聴器を使うことで「生活音は必ずうるさく感じること」を理解し、「どの音がしているのか必ず目で見て確認し、脳に覚えさせる」ことをして、「もう一度脳を鍛えて欲しい」と伝えているとのことです。
田中さん:
全てのお客様にこの「2週間補聴器体験コース」をお勧めしています。
レンタル期間中に来店されたときには、補聴器の効果が出ているかなどの測定を行います。
この測定データも大切ですが、それよりもお客様の主観を大切にしています。
使い心地はどうか、もっと聞きたい音があるか、などをうかがい、より満足できるように設定を変えます。
高額な物なので、お客様には充分に納得してから購入していただきたいのです。
レンタルする補聴器も高価な物なので、貸出のための書類にサインをしました。
「2週間補聴器体験コース」のほかにも、下記のサービスを行っているそうです。
- 医療機関との連携:近隣の耳鼻咽喉科などの医療機関と連携し、必要があれば紹介。
- 知り合い紹介プログラム:家族や友人などをお店に紹介。本人と紹介された人にグルメカタログをプレゼント。
- 下取りサービス:自分が持っている集音器や補聴器を最大20,000円で下取り。
この日はこれでおしまいです。
次にお店に来るのは1週間後、お試しの状態を確認してもらいに来ます。
8 最後に
今回お話をうかがったブルーム戸越銀座店を、改めてご紹介します。
店名: 認定補聴器専門店 ブルーム戸越銀座店
最寄り駅: 東急池上線「戸越銀座駅」、都営浅草線「戸越」駅からすぐ
電話番号: 03-6421-5911
営業日時: 月・火・水・金・土の9:30~18:00(祝日を除く)
このお店へ行くときは、事前に予約が必要です。
下記のお店のページから予約のリクエストを送れますので、確認してみてください。