補聴器の購入を検討する時に、「誰から購入するのか」は非常に重要なことです。日本では、簡単な届出さえすれば、誰でも補聴器を販売することができます。諸外国は国家資格が必要なこともあるので、比較すると日本での補聴器販売のハードルは低いと言えるのです。
8,000店舗以上の補聴器販売店がある*中で、どの販売店の誰から補聴器を購入すれば安心なのか。その基準として「認定補聴器技能者」という資格があります。ここでは、”なぜ認定補聴器技能者から補聴器を購入した方が良いのか”を見ていきたいと思います。
*きこえナビ編集部調べ
目次
1 認定補聴器技能者とは
- 公益財団法人テクノエイド協会が付与している民間資格
- 資格取得には4年間の講習期間を経て試験に合格する必要がある。
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資格取得後は5年ごとに講習を受け、資格を更新する必要がある。
*認定補聴器技能者はこのような認定証を所持しています。
1-1 公益財団法人テクノエイド協会が付与している民間資格
公益財団法人テクノエイド協会とは、義肢装具士国家試験なども実施する公益法人です。この協会が発行する認定補聴器技能者の資格は、医師や看護師などのような国家資格ではなく、「民間資格」です。
そもそも「管理医療機器である補聴器を販売する」のは「特定管理医療機器の販売に1年以上従事した後、講習を受け、都道府県に届出を提出する」ことで可能になります。届け出制であり、特に試験があるわけではないため、補聴器を販売するハードルは比較的低いと言えます。
実は、海外では補聴器を販売するには「国家資格」が必要な場合が多くあります。例えば、フランスでは「Audioprothésiste」と呼ばれる有資格者が補聴器を販売しています。しっかりと勉強し、国家資格を得た「補聴器販売のスペシャリスト」がいるのです。
以前、日本では補聴器販売に関する資格がなく、どの販売員が補聴器について経験と知識があるのか、判別がつきませんでした。そこで日本国内でも「補聴器販売のスペシャリスト」を育成するために生まれたのが、認定補聴器技能者資格なのです。
1-2 認定補聴器技能者の資格取得には最低4年かかる
認定補聴器技能者の養成は4期に分かれており、1期を終了するのに1年かかります。それぞれの期で、様々な内容の座学や実技の講習を受ける必要があります。また最後に認定試験に合格しなければいけません。認定試験を受けるには、補聴器相談医である耳鼻咽喉科医師の指導承諾が必要になるので、耳鼻咽喉科医師とも連携していることにもなります。
普段から補聴器販売に携わっていなければ資格取得することは困難なので、認定補聴器技能者の資格は「補聴器販売のキャリアが少なくとも4年間ある」という証明にもなるのです。
1-3 5年ごとに資格更新する必要がある
認定補聴器技能者の資格は、取得して終わりではありません。5年ごとに講習を受けて更新する必要があります。補聴器を取り巻く技術や情報は日々変化していくため、認定補聴器技能者は、新たな情報を更新する必要があるのです。
2 なぜ認定補聴器技能者から購入した方が良いのか
補聴器を購入するときは、認定補聴器技能者から購入することをお勧めします。
それは、認定補聴器技能者が一定の経験と知識を持っていることが保証されているからです。
先にご説明した通り、日本では補聴器販売が簡単な届け出で済むために、経験や知識の浅い人でも販売が可能です。ですが補聴器販売はとても複雑で、聞こえの状態のカウンセリングから、聴力測定、器種選択、音質調整、効果の測定など、多くの経験や知識が必要になります。同じ補聴器の器種でも、販売する人によって満足度が大きく変わってしまうものなのです。
「誰から購入すれば安心なのか」を判断するために、認定補聴器技能者という資格が目安になると言えます。
3 近隣の認定補聴器技能者を探すには
それでは、認定補聴器技能者はどこにいるのでしょうか?近隣の補聴器販売店に認定補聴器技能者が在籍しているかは下記の「公益財団法人テクノエイド協会」ウェブページで検索することが可能です。
https://www3.techno-aids.or.jp/general/tech_search.php
また、きこえナビの販売店検索からも調べることができます。このページ右上の赤いボックスから販売店検索ページに行ってください。
下記のマークがついている販売店は、「認定補聴器技能者が在籍している店」です。
お店を検索するときに下記の様にチェックを付けると、認定補聴器技能者が在籍している販売店だけを表示させることができます。
お住まいの近くに販売店があるか、確認してみてください。
お店に予約をするときは、事前に「認定補聴器技能者に見てもらいたい」と伝えるとよいでしょう。お店のスタッフ全員が認定補聴器技能者ではない場合があるからです。
まとめ
認定補聴器技能者から補聴器を購入する理由をまとめると下記になります。
- 補聴器の販売を少なくとも4年間経験している。
- 認定試験に合格しており、補聴器販売に関する知識を持っている。
- 耳鼻咽喉科医師と連携している。