「補聴器がどこで売っているか」なんて、今まで気にしたことなかった。そんな人が多いのでは?いざ補聴器を買おうと思っても、どこで買えるのかとっさに思いつかないですよね。
でも実は、補聴器は様々なところで売られています。補聴器の専門店はもちろん、眼鏡店、家電量販店、病院など、選択肢は様々。どのお店にどんな特徴があるのか?メリット・デメリットは?自分にとって最適な店とは?どんな基準で選べばいいのか…?
ここでは、補聴器販売店と補聴器メーカーで10年勤務してきた筆者が、補聴器を売っているお店の種類、お店選びのコツを説明します。実際にお店に行こうと思った時の簡単5ステップもご紹介します。
お店選びで悩んでいる人、親御さんに補聴器を買ってあげたいと思っている人は、ぜひ参考にしてください。
1 補聴器はどこで購入できるか?
補聴器を扱っているお店は、主に次の通りです。
お店の種類 |
「高機能」補聴器を |
「簡易」補聴器を |
メリット |
デメリット |
こんな人に |
補聴器専門店 |
● |
× |
補聴器の専門的な知識を持つスタッフが多い |
土日休みのお店が多い |
専門的なアドバイスを受けて補聴器を購入したい |
眼鏡店 |
● |
△ |
お店の数が多い 他の買い物のついでに通うことができる |
補聴器を取り扱っていないお店もある 専門知識が十分ではないお店もある |
眼鏡のついでに補聴器も検討したい |
百貨店 |
● |
× |
他の買い物のついでに通うことができる |
割引がない場合がある |
質が良い接客を受けたい |
宝飾品店・時計店 |
● |
△ |
地元密着型のお店が多い 他の買い物のついでに通うことができる |
補聴器を取り扱っていないお店もある |
地元のお店に通いたい |
病院 |
● |
× |
難聴についての正確な判断のもとに補聴器を使用できる |
補聴器外来を行っている病院や日時が限られる |
医師の診察の上で補聴器を検討したい 過去に耳の病気をしたことがある |
自宅訪問 |
● |
× |
自宅での試聴・購入・調整が可能 |
病院やお店に比べて設備が整っていない場合がある |
外出せずに補聴器を検討したい |
家電量販店 |
△ |
● |
通いやすい場所にある場合が多い |
補聴器を取り扱っていないお店もある |
他の買い物のついでに通うことができる |
通販 |
× |
● |
手軽に入手できる |
品質が十分ではない補聴器が多い |
価格が安い補聴器が欲しい |
注意:
全ての販売店がこの表の通りではありません。また、この表以外の場所でも補聴器は販売されています。
高機能補聴器とは:様々な機能が搭載され、補聴器専門スタッフによって調整される補聴器
簡易補聴器とは:ボリュームだけが調節できるなど、機能が制限されている補聴器
意外と選択肢が多いと思いませんか?ご自宅や会社のそばにお店があるのではないでしょうか。
それでは、ひとつずつ特徴を見ていきましょう。
1-1 補聴器専門店
メリット:補聴器の専門的な知識を持つスタッフが多い
デメリット:土日休みのお店が多い
こんな人に特におすすめ:専門的なアドバイスを受けて補聴器を購入したい
そのものズバリ、補聴器を専門に扱うお店のことです。見たことがないと思っていても、普段目がいかないだけで結構身近にあることも多いので、ぜひ探してみてください。小さめのお店が多く、商店街の中や、集合ビルの上の方の階などにあることも。
専門店、というくらいですので、補聴器を主に扱うお店がほとんどです。補聴器の知識が豊富なスタッフがいることが多く、設備が整っているお店も多くあります。
しっかりとカウンセリングを受けたい、自分に合った良い補聴器が欲しいと思うのなら、補聴器専門店をお勧めします。
1-2 眼鏡店(メガネ屋さん)
メリット:お店の数が多い、他の買い物のついでに通うことができる
デメリット:補聴器を取り扱っていないお店もある、専門知識が十分ではないお店もある
こんな人に特におすすめ:眼鏡のついでに補聴器も検討したい
大きなチェーン店から小さなお店まで、補聴器を扱っているメガネ屋さんは全国に数多くあります。メガネと補聴器、一見全然違うものに見えますが、細かな調整が必要だったり、シニアグラスを使う年代の人が補聴器も使っていたりと、共通する点が多いようです。
同じチェーンのお店でも、補聴器の取り扱いがあったりなかったりします。ウェブサイトに記載されていることも多いので、お店に行く前に確認したほうが良いでしょう。また、お店によって設備に差があることもあります。
補聴器を使っていることをあまり知られたくない、という人は、眼鏡店なら通いやすいのではないでしょうか。
1-3 百貨店
メリット:他の買い物のついでに通うことができる
デメリット:割引がない場合がある、値段が高めの補聴器を勧められる可能性がある
こんな人に特におすすめ:質が良い接客を受けたい
デパートで補聴器を扱っている場合もあります。「補聴器売り場」としてフロアガイドに載っていることもありますし、メガネ売り場や介護用品売り場で取り扱っていることもあります。
よく百貨店で買い物をする人は、行き慣れているお店で購入することができます。(百貨店のポイントカードを持っているなら、高額な補聴器はポイントがしっかり溜まりそうですね!)
1-4 宝飾品店、時計店
メリット:地元密着型のお店が多い、他の買い物のついでに通うことができる
デメリット:選択できる補聴器が少ない場合がある
こんな人に特におすすめ:地元のお店に通いたい
宝石や時計などを扱っているお店で補聴器を扱っている場合もあります。商店街やショッピングモールに入っている宝飾品店に「補聴器」の看板が出ていないか、確認してください。
地元密着のお店が多いので、気心が知れている接客を受けることができそうです。
1-5 病院
メリット:医師の診察に基づいて補聴器を購入・調整できる
デメリット:選択できる補聴器が少ない場合がある、補聴器外来の日時が限られる
こんな人に特におすすめ:医師の診察の上で補聴器を検討したい、過去に耳の病気をしたことがある
難聴の診断のために耳鼻咽喉科に行くと、そこで補聴器を購入できることもあります。「補聴器外来」として日時を決めて院内で対応している場合や、診断書を書いたうえで補聴器販売店を紹介してくれる場合もあります。
難聴かもと思ったら、まずは耳鼻咽喉科の医師に診察してもらう必要があります。お医者さんに診てもらってから、安心して補聴器を使い始めてください。特に、耳の病気をしたことがある人は、補聴器を使う前に必ず耳鼻咽喉科で診てもらう必要があります。
1-6 自宅訪問
メリット:自宅での試聴・購入・調整が可能
デメリット:自宅に来てもらうまでに時間がかかる可能性がある、サービスを行っていない地域もある
こんな人に特におすすめ:外出せずに補聴器を検討したい
お店に行くことが難しい場合は、補聴器の自宅訪問販売のサービスを実施しているお店に依頼すると便利です。事前に約束した日時に、担当の人が自宅に来てくれます。
ただし、お店のように設備が整っているわけではないので、お店に行くのに比べて制限があります。例えば聴力測定の結果が自宅周辺の道の音によって正確ではなくなってしまう、予約できる日時に制限がある、などです。
外出が難しい高齢の方や、お店が遠くて通いづらい方にお勧めです。
1-7 家電量販店
メリット:通いやすい場所にある場合が多い
デメリット:高機能補聴器が買えない場合がある
こんな人に特にお勧め:他の買い物のついでに通うことができる
家電量販店でメガネやコンタクトレンズを扱っていることもあるように、補聴器を扱っているお店もあります。家電量販店で補聴器を買う場合、補聴器販売専用のスペースで高機能補聴器を扱っている場合と、家電売り場で簡易的な補聴器が置いてある場合の2種類があります。
高機能補聴器の場合は、他の補聴器販売店と同じように、専門の機器を使って補聴器を販売してくれます。
家電売り場に置いてある補聴器は、機能が制限されたタイプの物がほとんどです。自分のニーズと合うかしっかりと見極める必要があります。
他の買い物のついでに補聴器の調整に行けますので、気楽に通うことができそうです。
1-8 通販
メリット:手軽に入手できる
デメリット:品質が十分ではない補聴器が多い
こんな人に特におすすめ:価格が安い補聴器が欲しい
テレビや新聞で、補聴器の通販の広告を見たことがある人も多いのでは?手軽に買える通販は人気がありますが、機能が制限された簡易的な補聴器がほとんどです。高機能補聴器と違い、その人の聞こえ方に合わせてあるわけではないので、自分に合わないと感じる人もいます。
ですが、その分お値段は手ごろなものが多め。自分のニーズと合うかしっかりと見極める必要があります。
2 どこで買えばいい?お店選びのコツ
こんなに補聴器が買えるお店が多いと、どこに行けばいいのか悩んでしまいますよね。お店を選ぶ時に抑えておきたいポイントは次の通りです。
- 通い続けることができること
- 補聴器専門スタッフがいること
- アフターサービスをしてくれること
- 自分のニーズに合ったレベルの補聴器が買えること
- 購入前に試聴やレンタルができること
- 認定補聴器専門店であること、認定補聴器技能者が在籍していること
ひとつずつ詳細を見ていきましょう。
2-1 通い続けることができること
意外と知られていないのですが、とても重要なのが「通い続けることができる」という点です。
補聴器は「買ったら終わり」ではありません。買ったら数ヶ月は週に1度~2週間に1度程度お店に通い、音を調整してもらう必要があります。また、その後も数ヶ月に1度はお店に行って、音を確認してもらったり、メンテナンスを受けたりします。そのため、通い続けるのに便利な場所にあるお店を選ぶことが大切です。
自宅のそばはもちろんですが、最寄り駅のそば、会社のそば、いつも買い物に行くショッピングモールの中など、通いやすさにもいろいろとあります。無理なく通うことができる場所にあるお店を、まずは検討してください。
2-2 補聴器専門スタッフがいること
補聴器は販売する側にもしっかりとした知識が必要になります。そのため、専門的な勉強をしたスタッフに付いてもらうことをお勧めします。
補聴器販売をうたっているお店でも、残念なことに補聴器にあまり詳しくないスタッフが補聴器を販売していることもあります。単に「補聴器を売っているから」だけではなく、そのお店がどの程度補聴器を扱い慣れているかも考慮する必要があります。
2-3 アフターサービスをしてくれること
補聴器は、購入した後に数ヶ月かけて音を調整する必要があります。その後も数ヶ月に一度はお店に行って、メンテナンスをしてもらったり、音を調整してもらったりするべきです。
このアフターサービスは当たり前に行ってくれるお店もありますが、まれにアフターサービスを行わないお店もあります。その場合、他のお店でしっかりとしたアフターサービスを受けることは難しいこともあるので(有料になる場合も)、せっかく買った補聴器を良い状態で使えなくなってしまうことも。
多くのお店は、補聴器の購入について説明してくれている時に、アフターサービスについても説明してくれます。しっかりとしたアフターサービスを受けることができるか、事前に確認しましょう。
2-4 自分のニーズに合ったレベルの補聴器が買えること
一言で「補聴器」と言っても、実に様々な種類があります。一番大きな分け方は、「お店の人が細かく調整してくれるタイプ(高機能補聴器)」か「自分で調節するタイプ」かです。
補聴器は単に音を大きくする器械ではなく、言葉を聞き取りやすく、理解しやすくするための様々な機能が搭載されています。この機能はとても繊細で調整が難しいので、補聴器に詳しい販売スタッフに、専用のソフトを使って調整してもらう必要があります。つまり、補聴器を販売しているお店で購入し、その後継続して通う必要があります。
一方、通販などで購入できる「自分で調節するタイプ」の補聴器にはこのような機能があまり搭載されておらず、ボタンやリモコンで音量だけ調整できるものも。お店に通う必要がないメリットがある分、機能には限りがあり、音質に満足いかない場合も多く、使うのを諦めてしまう人も多くいます。
性能重視か、手軽さと値段重視か。自分が必要だと思うレベルを見極めることも大切です。
2-5 購入前に試聴やレンタルができること
補聴器販売店が勧めてくれる補聴器が自分に合っているかどうかなんて、なかなかすぐに分からないですよね。そこでお勧めしたいのが「購入前の試聴」です。補聴器は安いものではありません。買ったはいいものの自分に合わなくて使えなかったらもったいないですよね。
たいていの補聴器販売店は、お店で補聴器を試聴させてくれます。まずはそこでしっかりと確認しましょう。
また最近は多くの補聴器販売店で、数日間の貸し出しレンタルをしてくれます。補聴器を借りて自宅に戻り、普段の生活の中でどのように聞こえるのかをしっかりとチェックすることができます。静かな環境であるお店の中とは、また違った聞こえ方になるでしょう。
お店によって何日貸してくれるか、どの器種を貸してくれるかが違います。また、予約用の補聴器が準備できるまでに数日かかる場合もあります。既に購入を視野に入れてお店に予約するのなら、予約時に「レンタルがしたい」ことも伝えると良いでしょう。
お店でのレンタルについては、こちらのページでも詳しくご説明しています。
2-6 認定補聴器専門店であること、認定補聴器技能者が在籍していること
補聴器販売店を選ぶ時の目安のひとつとして、「認定補聴器専門店」と「認定補聴器技能者」という資格も確認すると良いでしょう。どちらも公益財団法人「テクノエイド協会」が、補聴器の適正な販売を行う基準に達していると認定したお店や販売スタッフです。
認定補聴器専門店: |
認定補聴器技能者: |
必要な設備が整っている 耳鼻咽喉科と連携している 認定補聴器技能者が在籍している 等 |
4年間の研修コースを終了して、認定試験に合格した 研修期間に、耳鼻咽喉科医師の指導を受けている 5年ごとに講習を受講し、資格を更新している 等 |
ただし、認定補聴器専門店であっても、必ず認定補聴器技能者が対応してくれるというわけではありません。お店の販売員全員が認定技能者ではないことが多いですし、その日は認定技能者はお店以外の所(例えば提携している病院等)で仕事をしていることもあります。
また、認定補聴器技能者であれば必ず「完璧な技術を持っている」わけでもありません。技術力はその人の経験によって差が出ます。
この2つの資格は、お店を選ぶ時の基準のひとつとして確認してみてください。
3 お店選びをするときによくある質問
お店選びをしている人からよく寄せられる疑問・質問にお答えします!
Q1 どのお店で買うと安くなる?
補聴器の値段はお店によってさまざまで、どこが安いとは一概に言えません。
例えば「メガネ屋さんならどこでも必ず値引きしてくれる」「このメーカーの補聴器なら必ず安くなる」という事はありません。
補聴器の多くはメーカーが小売希望価格を定めています。お店によってはそこから値引きをしていることもありますが、どの店がどの補聴器をどの程度値引きしているのかは、実際にその店に聞いてみないと分かりません。お店によっては一律に値引き額を決めていることもありますし、期間限定のキャンペーンで一部補聴器が安くなっていることもあります。また片耳用に1台だけ買う場合は定価で、両耳用に2台買う場合は値引きが入る、という事もあります。
また気を付けなければいけないのは、大幅に値引きしてくれるお店は、その後のアフターケアを担当してくれない可能性もあるという事です。音の調整やメンテナンスなどのアフターサービスは、補聴器にとって必須のことです。補聴器の値段には、アフターサービスの金額も含まれていることがほとんどです。安く買ったはいいけど音を調整してもらえず、結局使えなかった、という事にならないように、事前に確認してください。
Q2 予約はすべき?
はい、ぜひ予約してからお店に行ってください。
初めてお店に行く場合、1時間から1時間半ほどかかることがほとんどです。しっかり時間をかけて対応してもらうためには、お店の方でもいろいろと準備が必要です。他のお客さんと重ならないように時間を確保してもらい、聴力測定用の機械の空き状況の確認や、試聴するための補聴器の準備など、体制を整えてもらってから行きたいですよね。
予約をする時には、どのような理由で行きたいのかを伝えると良いでしょう。初めての補聴器を検討している、今持っている補聴器について相談したい、家族の聞こえ方が心配、など、事前に伝えることで的確に対応してもらえます。
また、気になっている補聴器のブランドや器種があるなら、予約時に伝えることをお勧めします。お店によっては取り扱っていないこともあるからです。
Q3 まだ補聴器を使うかどうか決めてないから、お店に行きにくい
大丈夫、ぜひ一度お店に行ってください。
補聴器のお店には、そのようなお客さんはたくさん訪れます。使おうかどうしようか悩んでいる、という事をお店の人に伝えたうえで、いろいろ質問してみることをお勧めします。きっと丁寧に教えてくれると思います。
また、お店では実際の補聴器を見て、触って、聞いてみることができます。実物を見てみたらびっくりするくらい小さかった、実際に音を聞いてみたら思っていた以上に楽に聞こえた、など、お店でないと体験できないことは色々あります。購入を強要するようなお店はほとんどないでしょうから、安心して予約してください。
Q4 耳鼻咽喉科へは行くべき?
はい、ぜひおすすめしたいことです。
「音が良く聞こえない」という症状の原因には、本当に様々なものがあり、その原因を判断できるのは医師だけです。
難聴以外で音が聞こえなくなる例として、このようなものがあるようです。
– 耳垢が詰まっている
– 飲んでいる薬の影響
– 難聴以外の病気の影響
意外と多いのが、単に耳垢が詰まっているだけ、というもの。この場合は耳鼻咽喉科でお掃除してもらえます。
聞こえにくさの原因によって、対処する方法も変わってきます。この判断も医師が行います。
また、一言で「難聴」と言っても、その種類は様々。取るべき対処法も違ってきます。耳鼻咽喉科でしっかりと検査してもらい、診察してもらってください。
そして、補聴器が役に立つと言われたら、なるべく早く補聴器販売店に行って、補聴器を検討してください。
Q5 どのお店でどのメーカーの補聴器を扱っている?
お店によってまちまちなので、一概に言えません。
お店によって、扱っているメーカーは違います。また、扱っているメーカーでも特定の器種は扱っていない、という事もあります。
お店に直接聞いてみないと分かりませんので、予約の時などにお店に問い合わせてみてください。
Q6 お店に行かず、ネットで買ってもOK?
結論からいうと、あまりお勧めしません。
なぜならば、ネット販売で買える補聴器と、補聴器販売店で買える補聴器とには、性能に大きな差があるからです。
ネットで買える補聴器に搭載されている機能はとても少なく、またその人の聞こえ方に合わせた調整はできないことがほとんどです。補聴器本体のボタンやリモコンでボリュームを変化させることはできても、細かな調整はできません。そのため、せっかく買ったのにうるさくて使えなかった、ということがあります。また、「補聴器」を買いたかったのに間違えて「集音器」という家電を買ってしまった、という失敗も良くあることです。
補聴器販売店で買える補聴器には、とても多くの機能が搭載されています。また、その人の聞こえ方に合わせて細かく音を調整することができるのです。この調整はとても複雑なので、補聴器販売のトレーニングを受けた販売スタッフに行ってもらう必要があるのです。調整は一度だけではなく、数カ月かけて何度も行われます。このような手厚いサポートがあるからこそ、良く聞こえる補聴器を作り上げることができます。
もちろん、ネットで購入する補聴器が全くダメという事ではありません。手軽に買えますし、お店の補聴器に比べて安めです。自分にとってどのような補聴器が欲しいのかを明確にしたうえで、選択してください。
尚、オークションサイトやフリーマーケットサイトなどでの購入は、まったくお勧めしません!下記の「家族や知り合いからもらってもOK?」を参照してください。
Q7 家族や知り合いからもらってもOK?
家族が使っていた補聴器を使いたい、知り合いが補聴器を譲ってくれるけど使っていい?という質問もよくあります。
他の人が使っていた補聴器を使うのは、あまりお勧めしません。
例えば、他の人のメガネを譲り受けて使う、ということはあまりしませんよね。メガネはその人の視力に合わせてレンズが作られていて、かけ具合もその人に合わせてあります。他の人が使っても視力が合わず、かけ具合も合わないでしょう。
補聴器も同じように、その人の聞こえ方に合わせて音が調整されているものです。他の人がそのまま使っても、たいていの場合よく聞こえません。補聴器販売店に持っていけば調整してもらえるかもしれませんが、他のお店では調整できないこともあります。また、その人の耳の形に合わせて形が作られているものもあり、その場合は耳にフィットせずに頻繁に落ちてしまったり、耳が痛くなってしまったりすることもあります。
そして、補聴器は肌に直接触れるものです。衛生的にも避けたほうが良いでしょう。
4 お店選び~お店に行くまでのステップ
実際に補聴器のお店に行きたい!と思ったら、ぜひ下記のステップを参考にしてください。
Step 0:耳鼻咽喉科に行く
Step 1:補聴器販売店を探す
Step 2:何のために補聴器販売店に行くか明確にする
Step 3:補聴器販売店に予約を取る
Step 4:予約した日時に補聴器販売店に行く
Step 0:耳鼻咽喉科科に行く
まずは耳鼻咽喉科で診察してもらいましょう。難聴にもいろいろ種類があって、補聴器ではない対応策が必要な場合もあります。
Step 1:補聴器販売店を探す
通いやすい場所にある補聴器販売店を探しましょう。どんな種類のお店を選ぶのかは、ここまでに説明した内容を参考にしてください。
Step 2:何のために補聴器販売店に行くか明確にする
お店に予約の電話をかける前に、ぜひ一度落ち着いて、このステップを踏んでください。
まず聞こえ方について相談がしたいのか、もう補聴器を買うことを視野に入れているのか、買いたい補聴器の種類や器種が決まっているのか…。それによって予約時にお店に伝える内容が変わってきます。
メモ帳に書き出して、整理してみるのも良いでしょう。予約の電話をするときに、スムーズに伝えることができます。
Step 3:補聴器販売店に予約を取る
Step 1で決まったお店に予約を取りましょう。補聴器販売店に行くとき、特に初めて行くときは、必ず予約をして行ってください。予約せずにいきなりお店に行っても、受け付けてもらえないこともあります。
予約の方法はお店によってまちまち。電話をする場合、ウェブサイトから予約をする場合などです。
そしてこの時に、Step 2で考えたことをしっかりとお店に伝えてください。来店の目的が明確になっていたら、お店の方もそれに合わせてしっかりと準備をしてくれるでしょう。また、そのお店ではあなたが希望する補聴器を取り扱っていないこともあるので、この段階でしっかりと確認してください。
Step 4:予約した日時に補聴器販売店に行く
予約した日に、予約した時間に間に合うようにお店に行きましょう。もし約束の日時に行けない場合は、なるべく早めにお店に連絡をしてください。
お店に行くときは、家族と一緒に行くのもお勧めです。自分だけでは悩んで決められない場合に相談できます。また、補聴器はユーザーだけではなく、家族にも知識が必要です。特に同居家族の場合は、これまでと話しかけ方を変えたり、補聴器の使い方をサポートしたりと、知っておくべきことがたくさんあります。
このサイトには、補聴器販売店を検索できるシステムがあります。こちらのページで、Step 1の「補聴器販売店を探す」をスタートさせることができます。そのままお店に予約リクエストをすることもできるので、ぜひお試しください。
5 まとめ
補聴器を使おうかどうしようか悩んでいるのなら、まずは気楽に予約して、お店に行ってみることをお勧めします。実際に補聴器を手にとって、音を聞いてみて、お店の人にいろいろと質問してみてください。
「百聞は一見にしかず」という言葉がありますが、補聴器の場合は「百”見”は一”聞”にしかず」です。まずは一回補聴器の音を聞いてみてください。
補聴器を販売しているお店の種類 |
お店選びのポイント |
補聴器専門店 |
通い続けることができること |
この「きこえナビ」サイトでは、補聴器販売店を検索することができます。住所で検索したり、自分のこだわりの条件で検索したりできます。ぜひ一度試してみてください。