
聞こえの低下は、コミュニケーションや日常生活に様々な影響を与えることがあります。
家族との会話、友人との外出、テレビや音楽の鑑賞など、日常のあらゆる場面で聞こえの重要性を実感することでしょう
聞こえが低下した場合、補聴器を使うことで日常生活の不自由さを低減させることができます。
そして補聴器には、単に「よく聞こえる」という事以外にも、多くのメリットがあります。
この記事では、補聴器の利用による生活面での変化や、聞こえの改善がもたらすポジティブな効果について詳しく解説します。
目次
メリットその1. コミュニケーションの円滑化
聞こえの低下は、思った以上に人間関係に影響を与えることがあります。
特に大切な人との何気ない会話を楽しむことができなくなると、徐々に交流が減ってしまうことも少なくありません。
- 会話の聞き逃しが減少し、コミュニケーションの質が向上する可能性
- 「聞き返す」ことへの心理的負担の軽減と会話への積極的な参加
- 電話での会話がしやすくなる場合も
- レストランやカフェなど、周囲に音がある環境でも会話を楽しめる可能性
- グループでの会話においても発言者の声を聞き取りやすくなる
コミュニケーションの改善は、家族関係の強化にもつながります。
お孫さんの小さな声も聞き取れるようになれば、世代間の交流も深まることでしょう。
また、職場での会議や打ち合わせにおいても、重要な情報を聞き逃さず、適切な対応ができるようになる可能性があります。
メリットその2. 社会活動への積極的な参加
聞こえの改善は、社会活動への参加意欲を高める効果が期待できます。
聞こえの低下により、徐々に外出や社会参加を控えるようになった方も、補聴器の使用によって再び積極的に活動できるようになるケースが多く見られます。
- 会議やグループでの活動に参加しやすくなり、孤立感の軽減につながる
- 映画や音楽、演劇など音を楽しむ文化活動への参加機会の増加
- 外出時の安心感の向上と行動範囲の拡大
- 趣味のサークルや地域活動への参加のハードルが下がる
- 旅行やレストランなどでのガイドやスタッフの説明を聞き取りやすくなる可能性
社会とのつながりを維持することは、単に楽しみを増やすだけでなく、心身の健康維持にも大きく影響します。
友人との外出や地域のイベントへの参加は、新たな刺激や学びの機会となり、生活の質の向上につながります。
また、趣味やボランティア活動を通じて、自分の経験や知識を活かす場を持つことは、自己肯定感を高めることにもつながるでしょう。
メリットその3. 認知機能への良い影響
研究によると、聴覚と認知機能には密接な関連性があることが示唆されています。
適切な補聴により、脳への音の入力が改善することで、認知機能の維持に良い影響を与える可能性が指摘されています。
- 脳への音声情報の入力増加による神経回路の活性化
- 社会的孤立の防止による認知刺激の維持と脳の活動性向上
- 会話による脳の活性化と言語処理能力の維持
- 聴覚情報の処理が脳の様々な領域を刺激する可能性
- 環境音の認識による空間認知能力の維持
アメリカのジョンズ・ホプキンス大学の研究では、聴力低下と認知機能低下のリスクには関連性がある可能性が報告されています。
また、フランスの研究チームによる長期追跡調査では、補聴器の使用が認知機能低下のリスク軽減と関連する可能性が示唆されています。
これらの研究結果は、聞こえのケアが認知機能の維持にとって重要である可能性を示しています。
脳は「使わないと衰える」性質を持っており、聴覚情報の減少は脳への刺激減少につながります。
補聴器を通じて適切な音刺激を脳に届けることで、脳の活動性を維持し、認知機能全体にポジティブな影響をもたらす可能性があります。
メリットその4. 安全面の向上
日常生活における警告音や環境音の聞き取りが改善することで、安全面でのメリットも期待できます。
聞こえの低下は、思いがけない危険につながることがありますが、補聴器の使用によってそのリスクを軽減できる可能性があります。
- 車のクラクションや救急車のサイレンなど、危険を知らせる音の察知
- 火災報知器や防災無線など、緊急時の警報音の聞き取り
- 家電製品のタイマー音や電子レンジの終了音などの生活音の認識
- 後方から近づいてくる自転車や人の足音の察知
- 災害時の情報入手や避難指示の聞き取りに役立つ可能性
特に屋外での活動時には、周囲の音を適切に認識することが安全確保につながります。
道路を歩く際の車の接近音や、公共交通機関での案内放送なども、日常生活の安全と円滑な活動に欠かせない音情報です。
また、一人暮らしの高齢者にとっては、玄関のインターホンや電話の着信音を聞き逃さないことも、防犯上重要です。
適切な聞こえのサポートにより、安心して日常生活を送れるようになる可能性が高まります。
メリットその5. 精神的な健康への好影響
聞こえの改善は精神面にもポジティブな影響をもたらす可能性があります。
聴力低下に伴うコミュニケーションの困難さは、しばしば不安やストレス、時には抑うつ感につながることがあります。
補聴器の使用により、これらの精神的負担が軽減される可能性があります。
- コミュニケーションの改善によるストレスや疲労感の軽減
- 社会的孤立感の減少と人とのつながりの回復
- 自信の回復と積極的な社会参加への意欲向上
- 会話を楽しめることによる生活の質の向上
- 家族や友人との関係改善によるサポートネットワークの強化
特に、徐々に進行する加齢性難聴では、ご本人が聞こえの低下に気づかないまま、周囲とのコミュニケーションが減っていくことがあります。
「最近、家族が小さな声で話すようになった」と感じている場合、実は自分の聴力に変化が生じている可能性があります。
適切な補聴器の使用により、家族との会話が増え、誤解も減少することで、家庭内の雰囲気も改善する可能性があります。
また、職場や社会活動において、聞こえないことで生じる不安やストレスは想像以上に大きなものです。
補聴器によって適切に聞こえがサポートされることで、自信を持って発言したり、会話に参加したりできるようになり、社会的な役割を果たす喜びを再び感じられるようになるかもしれません。
補聴器を使うなら
このように、様々なメリットがある補聴器。補聴器を使うのであれば、ぜひ押さえておきたいポイントがいくつかあります。
それぞれのポイントをより詳しく説明している記事もご紹介しますので、ぜひチェックしてみてください。
- 聞こえづらくなったらすぐに対処を 補聴器はいつから使い始める?聞こえづらくなったらすぐにでも!
- まずは耳鼻咽喉科へ 難聴かもと思ったら耳鼻科に行くべき3つの理由。治療法や対策も
- 補聴器選びはプロと一緒に なぜ認定補聴器技能者から補聴器を購入した方が良いのか
- 定期的に調整を 補聴器購入の流れとおすすめ補聴器販売店を解説
- 家族も一緒にサポートを 家族が難聴かも?4つの兆候と今すぐ家族がしてあげるべきコト
まとめ
補聴器を使用することによる様々なメリットをご紹介しました。
メリットその1. コミュニケーションの円滑化
メリットその2. 社会活動への積極的な参加
メリットその3. 認知機能への良い影響
メリットその4. 安全面の向上
メリットその5. 精神的な健康への好影響
「補聴器」という言葉に、どうしてもネガティブな印象を持ってしまう人もいるでしょう。
ですがどうかポジティブな面も確認してみてください。きっとネガティブさをはるかに上回るメリットを感じるはずです。
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