
温泉旅行は、心身をリフレッシュさせてくれる特別な時間です。
特にシニア世代にとっては、日頃の疲れを癒し、家族や友人との絆を深める大切な機会でもあるでしょう。
しかし、補聴器を使用している人の中には、「温泉に行くときに補聴器をつけたままで良いのだろうか?」と不安に思うこともあるのではないでしょうか。
せっかくの旅行だからこそ、安心して楽しみたいという気持ちは当然です。
この記事では、補聴器を利用している人が温泉旅行を快適に楽しむための具体的な注意点や工夫をまとめています。
目次
1 温泉で補聴器を使ってはいけない理由
補聴器は小さくても非常に精密な電子機器です。そのため、温泉で使用するのは基本的に避ける必要があります。
主な理由は以下の通りです。
- 湿気によるトラブル:温泉は高温で湿度も高いため、蒸気が補聴器内部に入り込みやすくなります。これが原因で内部の電子回路が故障することがあります。
- 水分による故障:万が一お湯が直接補聴器にかかると、電子部品がショートするリスクがあります。防水仕様の補聴器であっても温泉のお湯は想定外の環境です。
- 温泉成分の影響:温泉には硫黄や塩分など、金属部分を腐食させる可能性のある成分が含まれています。長時間使用すれば劣化を早めてしまいます。
このような理由から、温泉に入るときは必ず補聴器を外すことが推奨されます。
「少しくらいなら大丈夫」と思う方もいるかもしれませんが、短時間でもトラブルが起こる可能性はゼロではありません。
旅行を台無しにしないためにも、入浴前には必ず外しましょう。
2 旅行中の補聴器の取り扱いポイント
入浴する時だけではなく、温泉旅行では普段以上に補聴器の管理に気をつける必要があります。
以下のポイントを押さえておくと安心です。
2-1 入浴前に必ず外す
温泉に入る際は、必ず補聴器を外して、ケースに保管しましょう。
「脱衣所に置いたまま忘れてしまった」というトラブルも少なくないため、補聴器専用のケースを持参し、しっかりとそこに入れることをおすすめします。
2-2 入浴後は耳をしっかり乾かす
温泉から上がった後は、耳の中や耳周りに水分が残りやすい状態です。そのまま補聴器を装着すると、内部に湿気がこもって故障の原因になります。
タオルで水分を拭き取り、できればしばらく時間を置いてから装着しましょう。
2-3 乾燥ケースや乾燥機を活用
旅館の部屋は湿気がこもりやすいため、補聴器を外した後は乾燥ケースや専用の乾燥機を使って管理することをおすすめします。
旅行の荷物に小型の乾燥ケースを一つ入れておくと、夜間も安心です。
2-4 紛失防止の工夫
旅行中は移動や荷物の出し入れが多く、補聴器を紛失してしまうケースもあります。外した補聴器は必ず専用ケースに入れ、常に同じ場所に保管する習慣をつけましょう。
ポケットに入れたままにしたり、タオルやティッシュなど上に置きっぱなしにしたりするのは避けてください。
3 温泉旅行でも安心できる補聴器の選び方
近年は補聴器の機能も進化しており、旅行好きの方に適したモデルも登場しています。
3-1 防水性能のある補聴器
IP規格に対応した防水性能のある補聴器は、汗や突然の雨にも強いため、旅行中でも安心して使用できます。
最近では多くの補聴器が、「IP68」という最高の防水・防塵機能を備えています。
ただし、温泉や入浴時に使用して良いわけではないので注意が必要です。
3-2 充電式の補聴器
旅行中に電池切れの心配を減らしたい方には、充電式補聴器がおすすめです。旅先で電池を買いに行く必要がなく、充電器を持参すれば安心して使えます。
就寝中に充電すれば、翌日もフルパワーで使用できます。
3-3 携帯しやすいアクセサリー
補聴器専用の携帯用乾燥ケースや、旅行に適したコンパクトな充電器も販売されています。
こうしたアクセサリーを活用すると、旅行中の不安がぐっと減ります。
まとめ
温泉は心と体を癒す素晴らしい時間ですが、補聴器を使用している方にとってはちょっとした注意が必要です。
基本的には「温泉やお風呂では補聴器を外すこと」が大前提。そのうえで、耳をしっかり乾かす、乾燥ケースを使う、紛失を防ぐといった工夫を取り入れれば、安心して旅行を楽しむことができます。
また、防水性能や充電式といった機能を備えた補聴器を選ぶことで、旅行の快適さがさらに増します。
温泉旅行を控えている方は、ぜひ補聴器の取り扱いについて事前に確認しておくと良いでしょう。
きこえナビでは、補聴器に関する最新情報や使い方の工夫を多数紹介しています。旅行を思い切り楽しむためにも、ぜひ参考にしてみてください。