楽しい旅行や出張で、飛行機に乗るとき、補聴器は機内に持っていけるのでしょうか?そして機内で補聴器を使えるのでしょうか。
保安検査場の金属探知機ゲートは、補聴器を外してくぐるべき?
補聴器関連のアイテムは、機内に持ち込んではいけない品目に引っかからないのでしょうか。
安心してください。補聴器と一緒に飛行機に乗る方法は意外と簡単です。
まずは簡単にご説明します。
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補聴器は機内に持ち込めるし、機内で使ってもOK。ただしちょっとしたコツが。
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保安検査場の金属探知機のゲートも、補聴器をつけたままでOK。
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蓄電式の充電器・補聴器ケースは、座席まで持っていく。
それぞれを細かくご説明します。
目次
1 補聴器は機内に持ち込んでもOK!
補聴器は飛行機の機内に持ち込むことができます。ぜひいつも通りに補聴器をつけて飛行機に乗ってください。
飛行機の中でも補聴器を使ってOKです。
旅に行くときは、体調が万全になるようにしますよね。同じように、聞こえ方もいつでも万全になるよう、いつでも補聴器をつけて行動するようにしてください。
2 補聴器用の電池・充電器は、入れるカバンに気を付けて
補聴器は身につけて飛行機に乗りますが、補聴器周辺のアイテムには若干の注意が必要です。ご使用の補聴器タイプごとに説明します。
2-1 電池式補聴器の場合
電池式補聴器を使っている場合、旅が始まる前に新しい電池に交換し、また十分な量の予備電池を持っていくことをお勧めします。
飛行機に乗るときは、補聴器用の電池は「空港のカウンターで預ける」のも「座席に持ち込む」のもどちらもOKです。
おすすめは、少量を座席に持ち込むカバンに入れておき、残りをカウンターで預ける方法。万一スーツケースが行方不明になっても、補聴器の電池切れを心配する必要がありません。
2-2 充電式補聴器
充電式の補聴器の場合、旅行には必ず充電器を持っていくようにしてください。補聴器の充電が持つ期間の旅だとしても、念のために持って行った方がよいでしょう。
充電式補聴器と一緒に持っていくもの:
・充電器
・充電器用のコードとACアダプター
・(海外に行く場合)旅行先のコンセント形状に合う変換プラグ
・(ACアダプターの変圧機能以上の変圧が必要な場合)変圧器
補聴器用の充電器には2つのタイプがあります。「蓄電機能」がついているものと、ついていないものです。それぞれ、飛行機のどこに持ち込めるかが違います
「蓄電機能なし」の充電器は、カウンターで預けて貨物室に入れることも、飛行機の座席に持ち込むことも、どちらも可能です。
「蓄電機能つき」の充電器は、注意が必要です。このタイプは、必ず「座席に持ち込む」ようにしてください。
このような充電器には「リチウムイオンバッテリー」が内蔵されています。携帯電話やモバイルバッテリーに使用されているものと同じです。
このリチウムイオンバッテリーは、多くの航空会社で飛行機の貨物室に入れることができません。万一故障して発火した場合に、貨物室に入っていると消火できないからです。必ず座席に持ち込むようにしてください。
また、このような充電器は、補聴器のケースとしても使用します。座席上の荷物入れに入れるのではなくて、座席の足元に置くバッグなどに入れておき、いつでも手に取れるようにしておくと、補聴器を外したくなった時も安心です。
3 保安検査場では補聴器を外す?→つけたままでOK!
空港では必ず保安検査場を通ります。金属探知機のゲートをくぐる時、なるべく金属のものは体から取り外すようにしますが、補聴器はそのままつけていても大丈夫です。
ただし、ゲートの感度、また補聴器の種類によっては、止められてしまう場合もあります。そのため、ゲートをくぐる前に係員の人に「補聴器をつけています」と言っておくとよいでしょう。
海外の場合は、補聴器を見せながら「ヒヤリングエイド(英語で補聴器の意味)」と言えば大丈夫です。
4 空港では、いつも補聴器をつけたままで
空港内では、なるべくいつでも補聴器をつけていてください。カウンターや保安検査場でスムーズにやり取りをするためにも必要です。搭乗開始のアナウンスも聞き逃したくないですね。
また、飛行機は時々急に出発時間が変更になったり、搭乗口が変更になったりします。これらの情報は文字でも表示されますが、アナウンスもぜひ聞きたいものです。この情報を聞き逃すと、飛行機に乗れないこともあるので、注意が必要です。
5 フライト中も補聴器は利用可能
5-1 機内でも補聴器はつけたままで
飛行機の中でも、補聴器はつけたままにしておきましょう。機内でも様々な重要なアナウンスが流れます。このアナウンスは聞き逃したくありませんので、いつでもしっかりと聞き取れるようにしておきましょう。
離着陸の時のアナウンスさえ聞ければいい、という考え方もありますが、それでも常につけていることをお勧めします。
考えたくはありませんが、フライト中に事故などがあって緊急対応が必要な場合、アナウンスや周りの人の言葉を聞き逃すと、危険におちいる可能性もあります。
5-2 ただしBluetoothは切る
離着陸の時には携帯電話の電源をオフにしたり、機内モードにしたりしますね。それと同様に補聴器もちょっとした作業が必要です。と言っても、Bluetooth接続を切るだけ。補聴器の電源を切る必要はありません。
補聴器がスマートフォンとBluetooth接続されている場合、まずはスマートフォンのBluetooth機能をオフにします(機内モードにすると切れます)。補聴器側もBluetoothをオフにする必要があるので、それぞれの補聴器の取り扱い方に従ってください。
5-3 疲れたら補聴器を外す
聞こえ方に問題がない人でも、飛行機の中はエンジンの音や振動音が大きく聞こえるものです。補聴器の機能によっては、これらの音が大きく聞こえてきてしまうこともあるでしょう。また、長時間飛行機に乗っていたり、気圧差がうまく調整できないなど、様々な理由で耳が疲れてしまうこともあります。
そのようなときは、無理せず補聴器を外しても良いでしょう。外した補聴器は、無くしたり破損したりしないよう、専用のケースや充電器に入れるようにしてください。
また、補聴器を外すときに落としてシートの隙間に入ってしまうと、CAさんにシートを取り外してもらわなければいけません。おおごとにならないよう、普段以上に取り扱いに注意しましょう。
6 航空会社の定めるルールに従おう
ここまでお伝えしたことは、一般的な内容です。航空会社によってはルールが違うこともありますので、搭乗する飛行機が決まったら、その航空会社のルールを調べても良いと思います。
下記に日本の一部航空会社のホームページで該当するページを並べてみましたが、多くのホームページでは「補聴器の持ち込みについて、機内でどう扱うか」は言及されていませんでした。
7 まとめ
ここまでお伝えしたとおり、補聴器をつけて飛行機に乗るのはとても簡単です。
ぜひいつも通りに補聴器を使いながら旅行を楽しんでください。
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- 空港でも飛行機の中でも、いつも通りに補聴器を使う
- 保安検査場では「補聴器を使っています」と係員に伝える
- 蓄電式の充電器は飛行機の座席に持っていく
- 離着陸の時はBluetooth接続を切る