
「補聴器をつけて旅行に行っても大丈夫?」「旅先で気を付けることは?」
補聴器は旅行の強い味方です。旅行先の自然の音や美しい鳥のさえずりがしっかりと聞こえ、ガイドさんの説明を楽しめ、地元の方との会話が弾みます。
よく聞こえるからこそ、旅行の醍醐味を存分に楽しむことができるのです。
今回は、補聴器を装用して安心して旅行を楽しむためのコツを、旅行前の準備から現地での活用術まで詳しくお伝えします。
目次
1 旅行前の準備編:しっかり準備で安心スタート
1-1. 電池・充電の準備は余裕をもって
電池式の補聴器をお使いなら
- 旅行直前に、補聴器の中の電池を新品に交換しましょう
- 念のため、旅行日程+1週間分の予備電池を持っていきましょう
- 旅行中に電池が切れた時のために、予備電池は手元のバッグに入れることをおすすめします(飛行機では貨物室に預け入れることも可能)
充電式補聴器をお使いなら
- 旅行直前に補聴器はフル充電に(充電器も充電できるタイプなら、そちらもフル充電に)
- 充電器本体、ケーブル、ACアダプターを忘れずに
- 海外旅行の場合は変換プラグも必要です、変圧器が必要ないかも確認を
- リチウムイオン電池内蔵の充電器は、飛行機では座席に持ち込んで(貨物室には預けられません)
1-2. 事前点検で「まさか」を防ぐ
出発の1週間前には、お使いの補聴器店で点検を受けましょう。旅行先で不慮のトラブルが発生する可能性を減らせます。
特にこんな項目をチェック:
- 音の出方に異常はないか
- 電池の持ちは正常か
- ボタンが押しにくくなっていないか
- チューブや耳せんに劣化はないか
1-3. 旅行に持っていくべきアイテムリスト
- 乾燥ケース:温泉地やビーチリゾートでの湿気対策に必須
- クリーニング用品:専用ブラシやクロスなど
- 緊急連絡先リスト:かかりつけの補聴器店の連絡先
- 取扱説明書:トラブル時の対処法確認用
2 移動中の注意点:飛行機も新幹線も快適に
2-1. 飛行機での補聴器使用について
搭乗前に
- リチウムイオン電池内蔵の充電器(ワイヤレスで補聴器を充電できるタイプ)は、貨物に預けず、座席に持ち込む
- 保安検査場の金属探知機はそのまま通れるが、念のため事前に係員に補聴器をつけていることを知らせる
- 空港内では常に補聴器をつけて、アナウンスを聞き逃さないように
飛行機の中では
- 基本的に常に補聴器をつけて、アナウンスを聞こう
- 離着陸時に補聴器の電源やBluetoothをオフにする必要がある場合も(乗務員に確認を)
- 耳が疲れたら外してもOK(座席の隙間に落とさないように注意を)
飛行機で補聴器をどのように扱うのかは、こちらの記事により詳しく解説されています。
補聴器をつけて飛行機に乗れる?保安ゲートは?補聴器と旅するコツとは
2-2. 新幹線・電車での快適な移動
- 車内アナウンスを聞き逃さないよう、常に補聴器の装用を
- トンネル通過時の気圧変化で違和感があれば、一時的に外すのも有効
- コンセント付きの座席なら、充電式の補聴器を充電できて便利
3 旅行先での活用術:現地を存分に楽しむために
3-1. 温泉・海・プールでの対策
最近の補聴器の多くは、防水・防塵性能が高くなりました。
ですが、基本的に補聴器は水に濡らすことはお勧めできません。
温泉などの入浴時の注意点
- 基本的に入浴時は補聴器を必ず外す
- 特に温泉の場合は、温泉の水が補聴器に触れないよう注意を(温泉の成分が腐食を早める可能性)
- 脱衣所の湿気も要注意、ケースに入れて保管を
- サウナや岩盤浴も補聴器を持ち込まないで(高温に弱い)
- 毎晩乾燥ケースを使用して、湿気をしっかり除去
- 温泉での補聴器の取り扱いについては、こちらでも解説しています。
温泉旅行で補聴器を使うときは?入浴時の注意点と安心のための工夫
海やプールでのレジャー
- 汗や水しぶきで故障のリスクあり、濡れたらすぐに拭き取って
- 激しいアクティビティ中は外して、ケースで保管(補聴器が外れて紛失する可能性)
- 砂浜では砂の侵入に特に注意
- 海などでの補聴器の取り扱いのコツは、こちらの記事でより詳しく解説しています。
補聴器をつけて海に行っても大丈夫!海辺での補聴器使用完全ガイド
3-2. 観光地での聞こえ対策
騒がしい場所での設定調整
- 雑踏や交通騒音の多い観光地では、雑音抑制機能を強めに設定
- ガイドツアーでは、指向性機能を活用してガイドさんの声にフォーカス
自然豊かな場所での楽しみ方
- 鳥のさえずりや川の音など、自然音も楽しめます
- ハイキング時は風雑音を軽減する機能を使用
- 滝や海岸などで水の音が大きすぎる場合は音量調整を
4 よくあるトラブルと解決法
電池切れ・充電切れの場合
- 電池式の場合、海外でも補聴器用電池は世界共通。色で識別できるので薬局やメガネ店などで購入可能
- 充電式の場合、コンビニなどで売っているモバイルバッテリーも緊急時に使用可能(USB充電対応器種)
音が出ない・おかしい場合
- まずは一度電源を落としたり、電池交換や再充電したりしてみる
- 耳垢や湿気が原因の可能性も。お掃除して、乾燥ケースで一晩乾燥させてみる
- それでも改善しない場合は、現地の補聴器店に相談、または行きつけの補聴器店に電話相談を
紛失・破損の場合
- 故障の場合、現地での対応に時間がかかるようなら、帰宅してから行きつけの補聴器店に対応を依頼する
- 紛失の場合、現地での購入は高額になることが多く、すぐに買えないことが多いのでおすすめしない
- 緊急避難的に安価な補聴器を家電量販店などで購入する手も
- 旅行保険を適用できる場合もあるので確認を
5 シチュエーション別Q&A
Q1: 温泉で補聴器はどうする?
A: 必ず外してケースに保管してください。
防水仕様の補聴器でも、温泉の成分や高温で故障の原因となります。
脱衣所の湿気からも守るため、密閉できるケースがおすすめです。
温泉旅行で補聴器を使うときは?入浴時の注意点と安心のための工夫
Q2: 登山中に故障したらどうすればいい?
A: まずは電源のオンオフ、電池交換と乾燥を試してください。また、補聴器と電池を掌などで軽く温めてみるのもおすすめです。
高度による気圧変化の影響や、低温による電圧低下の影響がある場合もあり、このような処置で正常の作動する場合もあります。
完全に故障した場合は、下山後に現地の補聴器店を探してみてもらいましょう。
Q3: 海外で電池がなくなったら?
A: 補聴器用電池は世界共通です。薬局、メガネ店、大型スーパーで購入できます。色で識別できるので、現在使っている電池と同じ色のものを探しましょう。
補聴器の空気電池を使いこなす!空気電池デビューする人向け完全ガイド
Q4: 飛行機の保安検査で引っかからない?
A: 補聴器は医療機器として認識されており、問題ありません。
心配な場合は、保安検査官に「補聴器を装用しています」「(英語なら)ヒヤリングエイド」と事前に伝えればスムーズです。
補聴器をつけて飛行機に乗れる?保安ゲートは?補聴器と旅するコツとは
Q5: 海外旅行中に壊れた場合の費用は?
A: 海外旅行保険に「携行品損害」が含まれていれば、補償対象となる場合があります。
出発前に保険内容を確認し、レシートや証明書は必ず保管してください。
まとめ:補聴器は旅行の最高のパートナー
補聴器を装用することで、旅行はより豊かで楽しい体験になります。事前の準備をしっかりと行い、現地では積極的に補聴器の機能を活用することで、きっと素晴らしい思い出を作ることができるでしょう。
最後に大切なアドバイス
- 不安なことは出発前に補聴器店に相談
- 旅行先での体験を楽しむための道具として、補聴器を最大限活用して
- トラブルがあっても慌てず、まずは基本的な対処法を試す
あなたの次の旅行が、補聴器と一緒に素晴らしいものになりますように!