冬場の補聴器も注意が必要!?知っておきたい2つのポイント

補聴器にも苦手な季節があるのをご存じですか?
毎日、一日中身につける補聴器は、たくさん汗をかく暑い「夏」が苦手。でも「冬」も補聴器は意外に苦手な季節です。この記事では、寒い冬が補聴器に与える影響とその対策についてご紹介します。

1 汗や結露による故障リスク

外と室内の寒暖差が大きい冬は、冷たい空気の室外から暖かい室内に移動した際に、補聴器内部やチューブ内で結露が発生することがあります。
また、冬場の室内は暖かいため、意外に汗をかくもの。夏場ほどではないものの、これらが補聴器の故障の原因となることがあります。

 

汗や結露への対策

  • 補聴器販売店でクリーニングしてもらう

補聴器販売店でプロにクリーニングしてもらいましょう。補聴器専用のクリーニング機械や専用ツールを使って、補聴器の内部にたまった湿気を取り除いたり、細かい汚れを吸い取ったりしてくれます。補聴器を購入したお店であれば、ほとんどの場合無料でクリーニングしてもらうことができますので、定期的に通ってクリーニングしてもらうことをおすすめします。

  • 毎日のお手入れ・乾燥を行う

定期的な補聴器店でのクリーニングは重要ですが、やはり日ごろからご自宅でお手入れすることがとても大切です。
ご自宅でのお手入れ方法は以下の3ステップです。

  1. 補聴器本体の汚れ・水分を拭く
  2. 補聴器の音口の汚れ・耳垢を取り除く
  3. 乾燥ケースや電気乾燥器で補聴器を乾燥させる

補聴器の詳しいお手入れ方法についての記事はこちら

2 寒さが影響?電池寿命が低下するリスク

電池式補聴器で使用する空気電池は、酸素を取り入れて発電しているため、周囲の空気の温度や湿度に影響されます。

冬に石油やガスのファンヒーターやストーブを使うと、空気中の二酸化炭素が増加するため、空気電池は本来の電池寿命よりも消耗が早くなる場合があります。また、低温により電池の発電性能が低下し、通常より早く消耗することがあります。

(出典:Panasonic)

リチウムイオン充電式補聴器の場合、二酸化炭素の影響は受けませんが、低温下では充電効率が低下したり電圧が下がる場合があります。

 

寒さへの対策

  • 二酸化炭素が室内に充満しないよう定期的に換気を行う
  • 空気電池の保管場所に注意する
    • 換気の良い常温(冬場はあたたかい部屋)で保管しましょう。
    • 補聴器を乾燥させる時、空気電池は乾燥器や乾燥ケースに入れないようにしましょう。
  • 空気電池を手であたためてから使用する
    • 夜寝ている間などは部屋の温度も下がります。低温下では電池の電圧も下がりますので、朝、補聴器を着ける前に手であたためてから使用しましょう。
  • 充電式補聴器はあたたかい場所で充電する
    • 充電式補聴器の場合、10℃以下の環境では充電効率が悪化する可能性がありますので、冬場は温度が下がりすぎない場所(居間や寝室など)で充電・保管してください。

冬場の電池消耗についての記事はこちらでも

3  他にもある冬場の注意点

寒さによる補聴器本体の動作不良

電池だけでなく補聴器本体も気温の影響を受けます。補聴器の使用推奨温度は、メーカーによって若干異なりますが、一般的には0℃から40℃程度とされています。
冬場でも身につけている時は温度が保たれますが、極端な低温下では注意が必要です。

帽子やマスク着脱時の脱落・紛失

冬場はマスクやマフラー、帽子を身に着ける機会が増えると思いますが、その着脱の時に補聴器が一緒に外れてしまうことがあります。マスクを勢いよく外したら補聴器が飛んでいってしまう、というケースも。
マフラー、帽子の着脱時は補聴器を押さえる、マスクを外す時は上側の紐からゆっくり外すなど、工夫してみましょう。

まとめ

補聴器と電池は温度や湿度、二酸化炭素など環境の変化に影響を受けやすい製品です。適切な使用・保管方法を守ることで、長い間安心して使うことができます。
メーカーの推奨する動作条件を確認し、定期的に乾燥やクリーニングを行うことが大切です。