Bluetooth補聴器とは?できること・相場・おすすめ器種まとめ

補聴器を検討するときに大切な点はいくつもあります。聴力に合っているのか、形が合っているのか、価格は、性能は…。そして、ぜひその中に加えたい新しい項目があります。

それは、Bluetooth機能です。

ワイヤレスイヤフォンをはじめとした様々なBluetooth機器が世の中には溢れていますが、補聴器でもBluetooth搭載は当たり前になってきています。

実はBluetooth搭載の補聴器は、きっと皆さんが考えている以上に高機能で便利です。用途の多彩さはワイヤレスイヤフォン以上と言っても過言ではありません。

Bluetooth搭載補聴器で実現できること

  • スマートフォンやタブレットから音源を直接補聴器に送信する。
  • スマートフォンでハンズフリー通話をする。
  • スマートフォンアプリで補聴器の音量・音質調節、電池残量などを確認する。
  • スマートフォンアプリで聞きたい音の方向を選ぶ。
  • スマートフォンアプリでAIサポートを受ける。
  • スマートフォンアプリで紛失した補聴器を探す。
  • スマートフォンアプリで体調管理や行動管理をする。
  • テレビの音を直接補聴器に送信する。
  • パソコンと接続し、ハンズフリーでオンライン会議をする。

補聴器を使用することにネガティブな印象を持たれる方も多いと思います。ですが、補聴器のBluetooth機能を使いこなすことで、便利に生活できてしまうのです。

この記事ではBluetooth搭載の補聴器がもつ便利な機能、選び方、価格、お勧めの器種などをご紹介します。

1 Bluetooth補聴器とは?

1-1 そもそもBluetoothとは?

そもそもBluetooth(ブルートゥース)とはなんでしょうか。下記のマークを見たことがあるでしょうか?このマークが付いている製品はBluetooth機能を搭載しています。

Bluetoothとは、無線通信の規格のひとつです。Bluetooth搭載の機器同士であれば、無線でつないでデータのやり取りができます。つまり、コード無しで音やデータを飛ばすことができるのです。通信範囲はおよそ10メートル以内です。国際標準規格ですので、どの国で製造した機器でも接続することができます。

身近なBluetooth搭載の製品では下記のようなものがあります。

  • スマートフォン
  • ワイヤレスイヤフォン
  • ワイヤレススピーカー
  • マウス、キーボード
  • 自動車

外出中にすれ違う人たちが耳に何か付けているのを見かけたことはありませんか?コードがつながっていないモノも多いですよね。スマートフォンとワイヤレスイヤフォンをBluetoothで接続して、音楽を聞いたり、ハンズフリーで通話をしたりと、Bluetoothの技術はすっかり世の中に定着したと言えます。

1-2 Bluetooth補聴器の探し方

Bluetooth補聴器とは、文字通りBluetooth機能を搭載した補聴器です。Bluetooth技術はごく一般的になってきていて、補聴器も例外ではありません。最近では多くの補聴器にBluetooth機能が搭載され、様々な機器と接続できるようになっています。

Bluetooth搭載補聴器はどれ?マークが付いているか確認しよう

Bluetoothを搭載した補聴器を探す際は、メーカーカタログやWebサイトでBluetoothマークが付いているか確認してください。Bluetoothマークは色や表記がバラバラなこともありますが、リボンのような形が目印です。

例えば、各補聴器メーカーのカタログには、下記のようにBluetoothマークが表記されています。マークが付いている器種はBluetooth機能を搭載しています。

全ての補聴器がBluetooth機能を搭載しているわけではない

全ての補聴器がBluetooth機能を搭載しているわけではありません。例えば目立たない極小の補聴器などは、本体内部のスペースの問題でBluetooth搭載していない場合があるのです。また、Bluetoothの電波は、人間の体を通り抜けることができないので、補聴器が耳の奥に収まる場合は、通信できなくなってしまいます。

例えば、下記の同じシリーズの補聴器製品でも、「搭載している製品」と、「搭載していない製品」があります。向かって左はBluetoothマークの記載がある「搭載補聴器」ですが、向かって右の補聴器はBluetoothマークがないため「非搭載」です。

一般的に製品ラインナップの中で非常に小さいサイズの補聴器は、「非搭載」になります。注意して製品を選択してください。事前に補聴器販売店で「Bluetooth機能が付いている補聴器を検討しています。」と確認すると良いでしょう。

*注釈で「搭載or非搭載」を小さい文字で断っている場合もありますので注意しましょう。

2 Bluetooth補聴器で何ができる?スマートフォンで広がる快適な生活!

Bluetooth機能を活用するなら、まずスマートフォンが思い浮かびます。補聴器とスマートフォンをBluetooth接続すると、多くの便利な機能を利用することができます。

知っていると補聴器ライフが充実すること間違いなし!ここではBluetooth接続で得られる代表的な機能についてご紹介します。

2-1 補聴器でスマートフォン通話ができる!

スマートフォンで会話をしている時に、スマートフォンを触らなくてよい、これを「ハンズフリー機能」と呼びます。

スマートフォンと補聴器をBluetooth接続をすると、補聴器を触るだけで電話に出ることができ、一切スマートフォンに触ることなく、通話を開始、終了することができます。

スマートフォンがカバンの中に入っていても直ぐに通話に入ることができるので、便利です。

2-2 音楽や動画の音を補聴器で聞くことができる!

アメリカで行われた研究で補聴器を通じて音楽を聞く場合、原音が保たれた状態の音ほど「より良い音質だ」と感じることがわかっています。

ですが、補聴器は人の会話(音声)を聞くために開発された機器であるため、音楽を不要な音と認識し、音質を変えてしまうことがあります。

そのため、補聴器で音楽を聞く場合は、音声データをBluetoothで補聴器に飛ばして、直接聞く方が音楽をより楽しむことができます。音楽だけではなく、スマートフォンで再生される動画などの音源も補聴器で直接聞くことができます。

また、音楽に集中するために外部の音を補聴器に入れないよう設定することもできます。もちろん、話しかけられた時に気が付けるよう、同時に外部の音も入れることも可能です。

このようにBluetooth搭載補聴器は、ワイヤレスイヤフォンと同じような機能も持っているのです。

*補聴器の販売店での調整ソフト画面。外部マイクの入力レベルの調整ができる。

2-3 スマートフォンがリモコン代わりに!?AIサポートも受けられる!

ひと昔前までは、補聴器の音量を上げ下げするために、それ専用のリモコンが別売オプションで販売されていました。最近では、スマートフォンのアプリで補聴器をコントロールするのが主流になっています。

誰もが持っているスマートフォンに、補聴器のアプリを無料でダウンロードします。すると、音量変更だけでなく、様々なことができます。

例えば、シグニア補聴器の「シグニア アプリ」では、補聴器とスマートフォンをBluetooth接続することで、下記のようなことが可能です。

  • リモコンとして活用。音量調節やプログラムのコントロール、電池残量などの確認ができる。
  • AIのサポートが受けられる。
  • マスクモードでマスク越しの不明瞭な声も聞き取りやすくなる。
  • 指向性の調節。聞きたい方向をアプリでコントロールができる。
  • 補聴器で健康管理が可能。モーションセンサーが活動内容や量を記録してくれる。

リモコンとして活用、手元で補聴器の音量・音質調節、電池残量の確認などが可能

下記のように「シグニア アプリ」では、音量の調節、サウンドバランス(音質、シャープ&ソフト)の調節、電池残量の確認、プログラム切替などが利用できます。アプリ自体は無料なので、Bluetooth搭載のシグニア補聴器を購入したのであれば、是非利用をお勧めします。

補聴器使用支援AIシステム(シグニア アシスタント)

補聴器は補聴器販売店で聞こえに合わせて調整してもらいますが、日常の生活では、周囲の環境は常に変化するもの。スマートフォンと補聴器をBluetoothで接続すれば、AIシステム(シグニア アシスタント)と対話しながら自分で補聴器の調節ができます。

*シグニア アシスタントの実際の操作画面。LINEのやり取りのようでAIアシスタントと会話すれば、自身の生活環境にあった設定に調節してくれる。

2-4 万が一の紛失時も安心 補聴器の場所を探すことができる!

Bluetoothでスマートフォンと接続しておくことで、メーカーによっては、紛失した場合に補聴器の場所を特定できる機能があります。*

接続した補聴器と最後に通信した場所をスマートフォンの地図上で特定することができます。スマートフォンの位置情報を想像していただくとわかりやすいかもしれません。

*スマートフォンの位置情報をONにする必要があります。

上記はワイデックス補聴器の「補聴器を探す」機能。補聴器とスマートフォンが最後に通信した場所を地図上で特定することができます。補聴器は高額なものが多いので、紛失したからといってすぐに買い換えられるものではありません。このような機能が付いていると安心して補聴器を利用することができるため、心強い味方です。

3 スマートフォンだけじゃない!タブレット、テレビ、パソコンとも接続可能

Bluetooth搭載補聴器が便利なのは、スマートフォンとの接続だけではありません。タブレットやテレビ、パソコンにも接続することが可能です。テレビやパソコンと接続する場合は、別途中継器が必要になることがありますのでご注意ください。

3-1 タブレットとの接続

スマートフォンと同様にタブレットとの接続も可能です。タブレットで映画やドラマを見る方、YouTube動画を見る方は便利です。

3-2 テレビとの接続

テレビのボリュームが大きいと家族に言われて補聴器装用を検討する方は多いかもしれません。テレビに専用送信機を設置することで、直接テレビ音源を補聴器で聞くことができるようになります。

この機能を使用すれば、補聴器側で音量調節できるため、テレビ側の音量を変更する必要がなく、ご家族と快適にテレビを楽しめます。

最近ではどの補聴器メーカーもテレビ用の専用送信機を発売しています。例えばシグニア補聴器であれば、「ストリームラインTV」、ワイデックス補聴器であれば、「TV-PLAY(テレビプレイ)」を別途購入することで利用することができます。

費用はかかりますが、非常に便利な機能で、多くの方に利用されています。

シグニア補聴器「ストリームラインTV」

ワイデックス補聴器「TV-PLAY(テレビプレイ)」

3-3 PC(パソコン)との接続

コロナ禍以降、現役でお仕事をされている方は、ZoomやTeamsでオンラインミーティングをすることが増えました。そのためイヤフォンやヘッドセットをPCに繋いでいる人は多いのではないでしょうか。

Bluetooth搭載補聴器は、直接PCと繋ぐことはできませんが、専用中継器を購入することで、ハンズフリーでオンラインミーティングに参加することも可能になります。補聴器から相手の音声が聞こえ、中継器のマイクが自分の声を拾ってくれます。

補聴器を外してイヤフォンを装着するのは面倒ですし、常に装用している補聴器が仕事でも活用できれば非常に便利になります。

例えばシグニア補聴器の「ストリームラインマイク」、ワイデックス補聴器の「サウンドアシスト」を別途用意することで、ハンズフリーでオンライン会議に参加することが可能になります。

4 Bluetooth搭載補聴器の相場は?

Bluetooth搭載補聴器の値段は、メーカーにもよりますが、一番お求めやすいもので片耳10万円前後となります。*

*2024年8月現在 

また発売された時期や、シリーズによって、対応できるスマートフォンや機器に違いがあります。補聴器を購入検討しているお店の担当者に問い合わせ、実際につながることを確認してから購入するようにしましょう。

5 メーカー別2024年版おすすめ最新Bluetooth搭載補聴器3選

Bluetooth搭載補聴器は各メーカーから多種多様に発売されていますので、どれを選べばよいか迷ってしまいますよね?そこで、筆者が選ぶ「おすすめ最新Bluetooth搭載補聴器」を3つご紹介いたします。*

*2024年9月現在

5-1.シグニア補聴器 Pure Charge&Go IX(ピュア チャージアンドゴー アイエックス)

シグニア補聴器の最新IXシリーズから充電式小型耳かけ型補聴器「Pure Charge &Go IX」をご紹介します。

Bluetooth機能としては、スマートフォンからの音源を直接聞くことができるダイレクトストリーミングだけではなく、スマートフォンを触らずに通話が可能なハンズフリー機能を搭載しています。

シグニア補聴器は、AIとの対話形式で補聴器の音質調節ができる「シグニアアシスタント」機能を搭載していることが特長です。補聴器販売店の調整に加えて、自分の生活環境に合わせて自分で音質調節をすることができるので納得度が高い器種と言えます。

特徴

世界初「ロックオン」機能搭載の補聴器で、複数人の声を追いかけ、言葉のすみずみまでより正確に再現。騒がしい環境でも、一人ひとりの声を常に聞き取りやすくしてくれます。

Bluetooth機能

  • スマートフォンからの会話音声、音楽、動画が補聴器に直接届くダイレクトストリーミング機能搭載。
  • ハンズフリー機能搭載。スマートフォンに触れずに通話が可能。
  • スマートフォンアプリで音量・音質調節、電池残量の確認、聞きたい音の方向を選択可能。
  • 補聴器使用支援AIシステム「シグニア アシスタント」対応。
  • 補聴器で健康管理ができる「My WellBeing」対応。

5-2 ワイデックス補聴器 SmartRIC(スマートリック)

モスト ナチュラル サウンドを掲げるデンマークの補聴器メーカーワイデックスからは、特徴的な形状のWIDEX SmartRIC(ワイデックス スマートリック)をご紹介します。

Bluetooth機能としては、「補聴器を探す」機能を搭載しているのが特徴的です。スマートフォン側の位置情報をONにしておけば、最後にスマートフォンと補聴器が通信した場所を記憶してくれます。万一紛失した際にも場所の特定ができるので、非常に安心度が高い器種と言えます。

特徴

自然でクリアな聞こえと、快適な装用感、手間いらずの使いやすさを追求してたどりついた独創的なL字型の形状の補聴器。ポータブル充電器をフル充電すれば1週間以上使用可能。8時間ダイレクトストリーミングをしても、27時間電池が持つ、スタイリッシュさと実用性を兼ね備えた器種です。

Bluetooth機能

  • スマートフォンからの会話音声、音楽、動画が補聴器に直接届くダイレクトストリーミング機能搭載。
  • スマートフォンアプリで音量調節、聴きたい音の方向を選択可能。
  • 「補聴器を探す」機能を搭載、補聴器の場所をスマートフォンで探すことが可能。
  • AIが最適な音を提案してくれる「マイサウンド」機能が利用可能。

5-3 オーティコン補聴器 Intent(インテント)

こちらもデンマークに本社を持つ補聴器メーカーのオーティコン社からは、Intentシリーズをご紹介いたします。

Bluetooth機能としては、ダイレクトストリーミングやハンズフリー機能を搭載しています。また、Bluetoothの最新規格「LEオーディオ」を搭載していることが特長です。基本11の通信規格であったBluetooth機能ですが、LEオーディオは、オーラキャストという技術を利用し、1対複数の通信が可能となります。

例えば、駅の案内放送や、博物館の説明を補聴器で直接聞いたりすることができるようになります。オーラキャストはまだ日本で充分普及していませんが、将来を見据えた器種であると言えます。

特徴

装用者それぞれの異なるニーズまで感知して、必要な音を脳に届ける「じぶんセンサー」機能を搭載した補聴器。

Bluetooth機能

  • スマートフォンからの会話音声、音楽、動画が補聴器に直接届くダイレクトストリーミング機能搭載。
  • ハンズフリー機能搭載。スマートフォンに触れずに通話が可能。
  • スマートフォンやスマートウォッチから音量調節などが可能。
  • Bluetooth次世代規格「LEオーディオ」を搭載。オーラキャストなどの先進の通信技術にも対応可能。

6 自分のスマートフォンがBluetooth対応可能か確認方法

今お持ちのスマートフォンがBluetooth搭載の補聴器に対応できるかは、補聴器メーカーのウェブサイトで調べることができます。

スマートフォンでQRコードを読み込むか、スマートフォンで下記のサイトにアクセスすると、どのような機能が使えるかを知ることができます。

また、主な補聴器メーカーの下記ウェブページでも適合の確認することが可能です。

シグニア補聴器

https://www.signia.net/ja-jp/support/compatibility/

ワイデックス補聴器

https://www.widex.com/ja-jp/support/compatibility/

オーティコン補聴器

https://www.oticon.co.jp/hearing-aid-users/support/information/compatibility

リサウンド補聴器

https://www.resound.com/ja-jp/help/compatibility

注意!Androidスマートフォンは、Bluetooth接続できる器種が限定される

上記でご紹介した主な補聴器メーカーのBluetooth搭載補聴器は、「Made for iPhone」という規格に基づいて作られています。iPhoneiPadiPod touchなどのApple製品に接続することができます。

Made for iPhone搭載のApple端末はこちらで調べることができます。

https://support.apple.com/ja-jp/106349

一方で、Androidスマホは、Bluetooth搭載補聴器でも対応できる器種が限られており、かつ、スマートフォンもASHAAudio Streaming for Hearing Aid)という規格を搭載している必要があります。お持ちのスマートフォンがASHA搭載かどうかも、上記でご紹介した各補聴器メーカーのウェブページで確認ができますのでご確認ください。

*発売されている全てのスマートフォンを調べることはできません。ご了承ください。

*ASHA非搭載でも、別売りの中継器を購入することでダイレクトストリーミング機能などを使えることがあります。

*各補聴器の互換性への質問は、補聴器メーカーにお問い合わせください。

7 Bluetooth搭載補聴器の注意点

ここまでBluetooth搭載補聴器についてご紹介してきましたが、注意する点もあります。下記のような点は事前に知っておきたいところです。

電池の消耗が早くなる

例えば、スマートフォンからのダイレクトストリーミングを続けていると、電池の消耗が早くなります。これは補聴器だけではなく、スマートフォン側も同様です。補聴器の電池や充電が切れて「大事な時に使えない」ということがないように注意しましょう。

設定が複雑なことも

例えばスマートフォンと補聴器を接続する際は、一般的なBluetooth機器とは設定方法が違い、補聴器専用の設定方法となります。そのため、補聴器の取扱い説明書や、メーカーウェブサイトなどを見て設定する必要があります。

互換性の問題

ここまでも記載してきましたが、Bluetooth搭載補聴器でもスマートフォン側が対応していない場合もあります。補聴器を購入する前によく調べておく必要があります。

補聴器本体のサイズについて

Bluetooth機能を搭載している補聴器は、一般的に本体サイズが大きくなる傾向があります。耳あな型の補聴器の一番小さいサイズはBluetoothが搭載されていないことが多いです。

ハンズフリー通話の対応器種について

補聴器からスマートフォンの電話音声を直接聞いたり、スマートフォンで再生した音楽や動画を聞いたりすることは、「ダイレクトストリーミング」とか「ストリーミング」と言います。この機能は多くの器種に搭載されています。

一方で、スマートフォンを持たずに補聴器のマイクで通話することを、多くの補聴器メーカーで「ハンズフリー通話」と呼んでいます。このハンズフリー通話はまだ一部の補聴器しか対応していないので注意が必要です。

「ダイレクトストリーミング」はできるけれど、「ハンズフリー通話」はできないパターンがありますので、「ハンズフリー通話」をしたい場合は、補聴器販売店のスタッフの方に相談して確認することをお勧めします。

 

Bluetooth搭載補聴器を使うときは上記の点に注意が必要ですが、これらの点を加味しても、Bluetooth機能を活用することのメリットの方が、はるかに大きいです。

今まで補聴器は単純に言えば音を増幅する機器でしたが、それ以上の機能を搭載したエンターテインメント性のある機器に進化したと言えます。

8 Bluetooth搭載補聴器でよくあるQ&A

Q.Bluetoothがない補聴器はどうやってスマートフォンで通話するの?

A.補聴器装用した状態で、Bluetoothなしでスマートフォン通話はもちろん可能です。一般的な通話同様、スマートフォンを耳に当てる方法です。

しかしながら、若干コツが必要になります。例えば耳かけ型の補聴器の場合、耳の上にある補聴器本体に集音マイクがあるため、スマートフォンの音が出る部分をいつもより上に持ってきた方が聞きやすくなります。

また、スマートフォンを耳元に持ってくるとハウリングのリスクも高まります。そういった点を考えると、Bluetooth機能を活用し、直接通話相手の声を聞いた方がストレス少なく通話ができると言えます。

Q.耳あな型でBluetooth搭載モデルはある?

A.最近では、耳あな型オーダーメイド補聴器でもBluetooth機能を搭載しているモデルが販売されています。また、シグニア補聴器から発売されているSignia Active(シグニアアクティブ)はまるでワイヤレスイヤホンのような見た目で、Bluetooth機能も搭載されています。

Q.Bluetoothは複数接続できる?

A.1台(1組)の補聴器に対して、スマートフォン、テレビ送信機など複数のBluetooth機器を接続することは可能です。但し、1台(1組)の補聴器に対してスマートフォン2台を登録するような場合は、メーカーにより状況が異なるようです。また同一メーカーでも器種により仕様が異なる場合があります。詳細は、補聴器販売店かメーカーに問合せていただくことをお勧めします。

Q.車のナビの音声を補聴器に飛ばすことはできる?

A.車のナビに搭載されているBluetoothは基本的に受け手のみになります。発信はできないため、補聴器で受信することはできません。

まとめ

 

Bluetooth搭載補聴器で実現できること

  • スマートフォンやタブレットから音源を直接補聴器に送信する。
  • スマートフォンでハンズフリー通話をする。
  • スマートフォンアプリで補聴器の音量・音質調節、電池残量などを確認する。
  • スマートフォンアプリで聞きたい音の方向を選ぶ。
  • スマートフォンアプリでAIサポートを受ける。
  • スマートフォンアプリで紛失した補聴器を探す。
  • スマートフォンアプリで体調管理や行動管理をする。
  • テレビの音を直接補聴器に送信する。
  • PC(パソコン)と接続し、ハンズフリーでオンライン会議をする。

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