2025年版:最新技術が搭載された補聴器のデザイン・機能・選び方

最先端の補聴器は、見た目も機能も驚くほど進化しています

「補聴器ってあの肌色の、年寄りが使っているものでしょ?」「少しくらい聞こえにくくても、あんな目立つものをつけるのは絶対イヤ!」なんて思っていませんか?

確かに昔おじいちゃんが使っていた時代はそうだったかもしれません。

でも、もしあなたやご家族が聞こえにくさからくる不便さを我慢したり、会話の中で相手に聞き返す回数が増えたりしているのなら、まずは先入観を捨ててこの記事を読んでみてください。

最新補聴器のデザイン、機能、選び方まで読み終えた時には、補聴器に対するイメージが変わっているはずです!

1 最新の補聴器おすすめのデザイン

最先端補聴器でまず驚かされるがその大きさです。耳あなに入れて使用するものも、耳にかけて使用するタイプなどたくさんの種類があります。

ここでは、特にサイズ、デザインに焦点をあてて実際の製品をご紹介します。

1.1 「目立たない小さいサイズ」がおすすめ

補聴器をつけていることを知られたくないのなら、つけているのがわからないような小さなサイズの補聴器がおすすめです。

耳あな型にも耳かけ型にも、小さくて見えづらい補聴器があります。

ただし、あまりに小さく、かえって取り扱いが難しいという人も中にはいるので、その辺りは考慮した方がよいかもしれません。

また、聞こえの程度がかなり悪くなっている人には、パワーが足りず向かない場合もあります。

 

「耳あな型」なら
・IIC “Invisible-In-the-Canal”(アイアイシー、インビジブル イン カナル )
・CIC “Completely-In-Canal” (シーアイシー、コンプリートリー イン カナル)

インビジブルとは英語で「見えない」という意味。その名のとおり、IICは耳あなの中に入れて装用するタイプの中で最も小さく、奥深くに収まるサイズです。

本当に驚くほど小さい!CICIICより少し大きいですが、それでも耳あなにぴったりと収まるります。

こんなに小さい本体にたくさんの機能をどうやって搭載しているのか不思議ですが、これぞまさに最新技術の賜物と言えるでしょう。

では、実際の超小型耳あな型補聴器をご紹介します。

 

シグニア Silk Charge&Go IX(シルク チャージ&ゴー IX

これが本当に補聴器?と思うような見た目とサイズのこちらの製品。

耳あなにセットした際に見えるフェイスプレート部分はは既製で、ブラックとモカの2色から選べる小さくすっきりとしたデザイン。

超小型の本体に自分に合う耳せんを組み合わせて使用します。

充電式で、ポータブル充電器はコンパクトで持ち運びにも便利です。

 

ワイデックス MOMENT CIC-M(モーメント CIC-M

歯科で歯形を取るように補聴器専門店自分の耳あなの型を採り、オーダーメイドで作るタイプ。この小さい本体に最新機能を搭載しています。オーダーメイドなので、自分の耳にぴったりとフィットしてくれます。

               

 

「RIC型」なら
・RIC ”Receiver-In-the-Canal” (レシーバー イン カナル)

RIC型は耳にかけるタイプの補聴器のひとつで、レシーバーと呼ばれる「音が出るパーツ」を補聴器本体から分離し耳せん付近に搭載することで、補聴器本体を小型化しています。

小さな本体を耳にかけて、そこからコードを伸ばして耳の中にレシーバーを入れます。レシーバーには、聴力やフィット感に合わせて選ぶ耳せんを付けます。

本体とレシーバーをつなぐコードは非常に細いので、補聴器をつけていてもぱっと見では目に入りません。

各ブランドとも力を入れているタイプなので、種類がとても豊富です。

 

ワイデックスALLURE RIC R D (アルーア リック R D

耳の後ろにかけるタイプですが、ほとんど耳に隠れて見えません。業界最小クラスの小さな本体に充実の機能を搭載。

充電式で、色のバリエーションも豊富に揃っていて、どの色にしようか迷ってしまいます。充電器は充電しながら、除菌・乾燥のお手入れができるタイプも。

                   

 

1.2 その他のデザインのおすすめ

この他の補聴器を感じさせないデザインの器種もいくつかご紹介します。

スリムタイプのRIC型

最近、補聴器のデザインで各ブランドから発売されている中に、スリムタイプのRICがあります。

目立たない、隠さないというだけでなく、あえて見せるデザインやおしゃれな色が印象的な充電式補聴器。スマートに堂々と使いこなしてください!

 

ワイデックス MOMENT SmartRIC (モーメント スマートリック)

ユニークな形状により聞き取りの改善と長い電池寿命を実現。本体はスタイリッシュな5色。

充電器も高級感のある質感です。ポータブル充電器を併用すると1週間の使用が可能なので、旅行や出張にとても便利。

 

 

イヤフォンタイプ

これが補聴器?といった見た目のワイヤレスイヤフォンタイプ。

シグニア Active IX(アクティブ アイエックス)

軽度~中等度難聴の方向けの補聴器。充電器はもちろんポータブルで、ワイヤレスイヤフォンと同じような使い心地です。

いつもワイヤレスイヤフォンを使っている、既にイヤフォンの補聴機能を利用している人などには、抵抗なく使い始められそうです。

イヤフォン型補聴器、シグニア補聴器のSignia Active IXイヤフォン型補聴器のシグニア補聴器 Signia Active IXのカラーバリエーション3。スノーホワイト、ブラック、ロースゴールド。

 

2 補聴器は「搭載機能」も重要

ここまで様々な補聴器デザインをみてきましたが、やはり気になるのが機能についてです。

補聴器には、先進技術に支えられたさまざまな機能が搭載されています。

最先端の技術がどのように使われているのかは想像しにくいかもしれませんが、最新補聴器の説明に必ず出てくるのが「ノイズリダクション」「ワイヤレス接続機能」「AI機能」です。

2.1 ノイズリダクション(騒音抑制)で聞きたい音をより聞きやすく

私たちの耳は同時にたくさんの音を聞いていますが、補聴器の機能で最も大切なことは「聞きたい音」を耳に届けること。

一昔前の補聴器は「雑音がうるさくて肝心の人の声がよく聞こえない。」などという評価もありましたが、最新補聴器は、入って来た音を細かく分析することで、音声と周囲の騒音を識別します。
そして、騒音を抑えて会話を聞き取りやすく強調してくれます。

日常の様々な種類の音、エアコンやパソコンのファン音、交通雑音、ものを叩く音などをいろいろな場面で低減してくれるだけでなく、言葉を強調して聞き取りをサポートしてくれるノイズリダクション機能は、補聴器の長時間装用による疲労を軽減し、より快適な装用ももたらしてくれます。

補聴器にとって最も大切な機能と言えるでしょう。

2.2 ワイヤレス接続で生活が変わる!

NTTドコモ モバイル社会研究所が2024年1月に行った調査*によると、日本の携帯電話所有者のうちスマートフォンの比率は97%。

生活に欠かせなくなったスマートフォンと補聴器を、Bluetoothなどの技術を使ってワイヤレスで繋げることができます。

この機能で補聴器ライフが更に便利になること間違いなし!

*引用元:モバイル社会研究所 2024年調査

通話伝送
  • スマートフォンで通話をするときに、相手の声を直接補聴器に伝送し、周囲の音に邪魔されずに相手の声を聞くことができる
  • 両耳で補聴器を使っていれば、通話の声を両耳で聞く事が可能、通常の電話よりもより聞き取りやすく
  • 特に、画面を見ながらしゃべりたいビデオ通話時に便利
ストリーミング再生
  • お気に入りの音楽やポッドキャスト、動画を再生する時に、補聴器からその音を聞くことができる
補聴器アプリ
  • 補聴器専用のアプリをスマホにインストールすれば、スマホが補聴器のリモコンに
  • 音量調節や音質の調整、聞きたい方向のコントロールなどが簡単にできる
  • 電池残量のチェックも
  • GPS機能で補聴器をなくした時に探してくれたり、AIがユーザーの音の好みを学習したりする器種も

リモートマイクなどアクセサリー類

少し大きなテーブルを囲んだ打ち合わせなどでは、自分から離れたところにいる人の声が補聴器で聞こえにくくなってしまいます。
そんな時は、補聴器とリモートマイクを接続します。
リモートマイクを話者のそばに置くと、その声が補聴器からクリアに聞こえてきます。

補聴器専用のマイクは、例えば会議の場合とても便利です。

接続の仕方は、補聴器の器種や何と接続するかによって、Bluetoothを利用したり、それ以外の技術を使用したりと様々です。
電子機器と補聴器それぞれの器種によっては、ワイヤレス接続できない場合もあります。

Bluetoothでの接続については、こちらの記事でも詳しく解説しています。

 

2.3 AIと作る自分好みの音

毎日その言葉を聞かない日はないほどに社会に浸透したAI。

進化を続ける補聴器にも、AIが搭載されているものがあります。また、開発段階でAIを利用しているものもあります。

  • レストランなどの騒がしい場所か、車や電車の中かユーザーが置かれている環境での周囲の音の変化、そこに会話があるか、ないか、などの情報を常に分析し、補聴器の設定を自動で調整。
  • AIが提案した音の設定をユーザーが選択。さまざまな環境下でこれを繰り返す事でAIが学び、自動でユーザーの好みに合わせた音を設定。
  • 世界中の補聴器のユーザーが似たような状況下でどんな音設定をしたのかをビッグデータとして蓄積し、AIが聞こえを最適化。

なお、「AI搭載」などとうたっていない補聴器でも、多くがその場その場に合わせて自動的に音設定を切り替えてくれます。

新しい技術であるAIは、補聴器の分野においてもまだ開発途上。これからの技術向上に期待したいところです。

 

3 最新トレンドは「充電式」

それでは、最近の補聴器のトレンドはどうなっているのでしょうか?

いま人気の補聴器は、なんといっても「充電式」の補聴器です。耳あな型、耳かけ型のどちらも、充電式が続々と登場しています。

3.1 充電式の補聴器とは?

これまでの補聴器は、空気式電池という種類のボタン電を出し入れするタイプが主流でした。

ですが、補聴器用の電池はとても小さいので、➀数日~十数日で電池切れになってしまう、➁小さすぎて扱いづらい、というデメリットもありました。

シグニア補聴器の電池式 Pure 312AX器種です。電池は補聴器の電池室に入れます。

10年ほど前に本格的に登場した充電式の補聴器は、これらのデメリットを払拭。夜充電しておけば、次の日は一日中つけていてもバッテリー切れの心配がありません。

充電器に入れるだけで充電ができるので、取り扱いがとても簡単で、電池を買う手間もいらないため人気になり、各社から続々と様々な器種が発売されています。

補聴器販売店で補聴器を試してみる

3.2 充電式のメリット・デメリット

充電式には様々なメリットがあります。同様に、デメリットもあります。自分にとっての使い勝手の良さを見極めてください。

充電式のメリット

  • 電池の買い忘れなどを心配しなくていい
  • 電池購入費用がかからない
  • 小さな電池を毎日補聴器に出し入れする手間がかからない
  • 電池を入れるためのフタがないので、水やホコリが入りにくい
  • 就寝時など使用していない時に充電しておけば、使用時にバッテリー切れの心配が少ない
  • 持ち運び可能なバッテリー内蔵の充電器なら、電源のない外出先で補聴器の充電が可能

充電式のデメリット

  • 補聴器充電のための電源が必要
  • 充電器を購入する必要があるため、初期費用が高くなる
  • 充電器が故障してしまうと補聴器も使えなくなる
  • すべての補聴器の種類に充電式があるわけではない

 

4 最新補聴器をどうやって選ぶ?

では、こんなに種類のある中からどうやって選べばいいの?と思いますよね。

選ぶポイントは、まず耳の状態聞こえの程度、そしてライフスタイルに合った搭載機能音の好みデザインなどいくつかあると思います。

最新機種は、搭載機能やデザインも豊富ですが、価格もかなり高額なものが多いので、ご家族やお店の人とも相談しながらご自身に合った候補を見つけ実際に試聴してください。

各ブランドとも難聴の度合いに関わらず機能が充実したクラスがあり、価格は機能の多さとともに上がっていきます。いくつか選び方の例を挙げてみました。

4.1 耳の状態と聴力で選ぶ

この2つは当然、補聴器を選ぶ際の絶対条件です。

耳の形や病歴、聴力の程度で、使える補聴器が絞り込まれます。

例えば耳あなが極端に細い人は、耳あな型補聴器は使いづらいでしょう。聴力が非常に悪い人は、小さい補聴器ではパワー不足なので大きい補聴器を選ぶことになります。

補聴器が「聴力を補うもの」である以上、補聴器の選択はまずこの2つから始まります。

4.2 ライフスタイルで選ぶ

自分の聴力に合った補聴器がわかったら、どのようなシーンで補聴器を使うのかをイメージしてみましょう。生活スタイル別におすすめの器種や機能を挙げてみます。

普段は家の中で過ごす事が多く、あまり外出はしない方

  • にぎやかな環境で会話する頻度が低ければ、必要な機能を絞って価格を抑える事も
  • 外出する機会が少なければ、ポータブル充電器などは必要ない
  • 音楽や動画、ビデオ通話が快適にできるBluetoothでのワイヤレス接続機能はおすすめ

スポーツや庭いじり、街歩きなど外に出る機会が多い方

  • 汗に強く、自分の耳にぴったりおさまるオーダーメイドの耳あな型
  • 騒音抑制や風切り音抑制などの屋外でも快適に使用できるノイズリダクション機能が充実している
  • 話し声だけを強調するのでなく、鳥のさえずりやボールを打つ音など周囲の音も聞くことができるような器種
  • 外出時の急な電池切れの心配をしなくていい充電式

仕事や趣味の集まりなど、いつもアンテナを高くしておきたい方

  • 騒音下や大人数での会話の聞き取り性能が高く、自分で聞きたい方向を選べる機能が付いている
  • リモート会議などに対応できるようワイヤレス接続がある
  • 大事な商談の途中で電池が切れる心配がない充電式
  • 出張の移動中に充電などにも対応できるポータブル充電器タイプ

 

ライフスタイルで補聴器を選ぶのなら、こちらの記事も参考にしてください。
5人のモデルに登場してもらい、それぞれにおすすめの補聴器をピックアップしています。

 

4.3 音の好みで選ぶ

音の好み?と思われるかもしれませんが、補聴器はブランドやシリーズによって、音の傾向がかなり違います。

いま発売されている補聴器のほとんどは「デジタル補聴器」。補聴器のマイクが取り込んだ音を様々にデジタル処理しています。

この処理の仕方によって、補聴器から出てくる音が違ってきます。

雑音をしっかりと抑えるもの、聞こえてくるままに増幅するもの、人の声に特化したもの、などなど…。

補聴器ブランドごとの音の作り方のこだわり

ですから、補聴器を購入する時は、補聴器のお店で複数のブランドを聞き比べてみることをおすすめします。

可能であれば、複数のブランドをそれぞれ数日借りて、自宅などで試してみるのがよいでしょう。

この「音の好み」は個人の感覚に大きく左右されます。じっくりと聞き比べて、しっくりとくる音を見つけてください。

4.4 デザインや見た目で選ぶ

これは文字通り、補聴器のデザインにこだわるかどうか。

補聴器なんて目立たなればなんでもいい、という方ももちろんいらっしゃるでしょう。

でも、眼鏡と同様、補聴器も身体につけて毎日使うもの。せっかくなら好きな色や形の方が気分はいいですよね。

多くの補聴器は色もバリエーションも豊富です。見えない事にこだわるもよし、デザイン性が高いものを選んであえて見せびらすもよし、お好みで選びましょう。

 

どの方法を重視するにしても、一番大切なのは「補聴器のお店の人とよく相談する」ということです。

補聴器選びには様々な要因が絡んでくるので、素人では判断しづらいもの。補聴器販売員の人に自分の状態や希望をしっかりと伝え、アドバイスを聞いてみてください。

 

5 2025年版:世界6大ブランドの最新シリーズ


ここでは、補聴器の6大ブランドから発売されている最新シリーズを以下に挙げてみました。

6大ブランドはすべて海外のブランドです。国産ブランドには、リオネット、パナソニック、マキチエなどがあります。

各社とも、新しい技術を取り入れて、より高度な機能とデザインに進化させています。

ブランド シリーズ 補聴器の種類 主な特徴
シグニア IX(アイエックス) 耳かけRIC型・耳あな型

ワードロックオンとスピーチロックオンで騒音下の聞きとりを向上。
RIC型も耳あな型も小さく目立たないバリエーションが豊富。

ワイデックス ALLURE(アルーア) 耳かけRIC型

クラウド型ソフトウェアを使ってフィッティングを行なうことでユーザーに高い満足を提供する、世界初のクラウド補聴器(2025年現在)。クリアな会話と豊かな環境音を快適に楽しめる。

オーティコン Intent(インテント) 耳かけRIC型 ユーザーのしたいことを感知する「じぶんセンサー」搭載。
フォナック ルミティ 耳かけRIC型・耳かけ型

マイクの指向性と騒音抑制で言葉の理解度を向上。水や汗に強いモデルも。
アクセサリーも豊富。

スターキー Genesis(ジェネシス)AI 耳かけRIC型・耳あな型 AIによる自動調整。最大2日間連続使用可能。
リサウンド ネクシア 耳かけRIC型・耳かけ型・耳あな型 次世代ストリーミング技術Auracast™対応。

上の表で各ブランドの最新機能を搭載した「シリーズ」をざっと列挙しましたが、どのシリーズからも様々な種類(形)の補聴器が出ています。

気になるのなら、ぜひ各ブランドのウェブサイトをのぞいてみてください。

 

6 まとめ

ここまで、最新補聴器のデザインや機能、選び方などについて解説してきました。

補聴器は進化が早い製品で、毎年のように新しい補聴器が発売され、新しい技術やデザインが登場しています。

補聴器を選ぶ時には、ぜひ最新の補聴器を試してみてください。

おすすめは、2つ以上のブランドの最新補聴器を試す、という方法です。

補聴器のお店の人と相談し、なるべく多くの選択肢から選ぶようにしてくださいね。

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